インプラントとドイツ式入れ歯の融合

インプラントとドイツ式入れ歯の融合

こちらの患者様は奥歯にインプラントが入っており、残っている前歯が割れてしまったため前歯4本を抜くことになりました。

治療方針として

1,抜いたところにインプラント

2,抜いたところにバネのある入れ歯

3,抜いたところにドイツ式入れ歯

の3つの案をご提案し3のドイツ式入れ歯を選択しました。

1,抜いたところにインプラント を選択した場合、残された歯がだめになり抜歯となった際にまた上記の3つの選択肢から選ばざるを得なくなり再度治療を始めなければならないことなどのデメリットが挙げられます。

2,抜いたところにバネのある入れ歯 を選択した場合、インプラントとご自分の歯にバネをかけることとなり早期にご自分の歯がだめになる確率が高くなります。1を選択した場合と同様のデメリットが挙げられます。

患者様が選択された3、抜いたところにドイツ式入れ歯 は噛み合わせや残った歯、インプラントの寿命を延ばし、万が一残っている歯がだめになった時に簡単な修理で済むように考えてドイツ式入れ歯の設計をします。

どのような治療でも100%壊れないものはありません。

しかし将来のことを考えて設計し壊れたら再治療せずに修理で済むようにしています。

 

ドイツ式入れ歯を設計するにあたり10年20年先を見据えた治療とご本人の希望を考えた下の写真のようなドイツ式入れ歯となりました。

 

この写真の左側3本(穴が開いているように見える)と右側の下から2番目はもともとインプラント治療されていた歯です。

下から2番目の写真がドイツ式入れ歯が入った写真です。これは取り外し式です。セメントで付けていません。

取り外し式ですので入れ歯もご自身の歯もインプラント部もご自分で綺麗に清掃でき虫歯や歯周病の予防効果が大きいです。

装着感は固定性(セメントで付けるもの)のブリッジと同等です。

デメリットは費用が割高になることでしょうか。ただしだめになったら再治療を何度も繰り返すことやそのたびに通院や治療に時間を費やすことを考えますと費用対効果は高いと思います。

患者様それぞれの考え方がありますが現在のご年齢や体力、これからの明るい人生をお考えならお勧めしたい治療です。

入れ歯かインプラントか迷われている方はぜひご相談ください。

治療期間:約1,5年(抜歯の治癒期間含む)

費用:¥4,620,000(2020年 現在)

リスク、副作用:天然歯を削ることがあります。入れ歯の出し入れの練習が必要です。清掃を怠ると虫歯、歯周炎になる可能性があります。定期的な検診、クリーニングが必要です。

 

 

筆者プロフィール

著者

イーストワン歯科本八幡
東 郁子

■経歴
  • 平成6年 鶴見大学歯学部 卒業
  • 平成7年 鶴見大学付属病院研修医 修了
  • 平成7年 都内の歯科医院 勤務
  • 平成30年 イーストワン歯科本八幡 開院
■所属学会/スタディグループ
  • ●IPSG包括歯科医療研究会
  • 第2回咬合認定医コース受講 咬合認定医 取得
  • 総義歯の基礎と臨床 受講
  • 顎関節症ライブ実習コース 受講
  • パーシャルデンチャーとテレスコープシステム 理論と実習コース 受講
  • 咬合治療の臨床 受講
  • ●日本臨床歯科医学会
  • レギュラーコース 受講
  • ●顎咬合学会