保険の入れ歯はなぜだめなのか?

保険の入れ歯はなぜだめなのか?

歯を失った時に患者様がまず選択しなければならない治療方法はブリッジ、入れ歯、インプラントの3つです。さらにブリッジ、入れ歯はそれぞれ保険で作るものと保険適用外のものと2つあります。
自分にはどの治療方法が合うのかわかりませんよね。また保険適用外のものは高額になりそうだという予想はつきますがどのように違いがあるのかはわからないと思います。

今回は保険、保険適用外の入れ歯についてご説明します。この2つの主な違いは使用する材料や素材、治療工程、歯科技工士のレベル、治療費です。
保険の入れ歯は安価でとりあえず噛める入れ歯を目的として作られます。これは国で定めた材料、値段で作ります。なるべく安価な材料で治療費を安く抑え最低限度の食事ができる食べ物が噛める入れ歯を作ります。ここには見た目や装着感や残っている歯の寿命のことは考慮されていません。安かろう悪かろうの入れ歯です。入れ歯を作る歯科技工士さんは数多くのものを作らないと利益が出ませんから一つ一つの作業に時間をかけてはいられません。質より量を重視した仕事になるのは致し方ありません。

国で定めている保険診療では見た目も良く快適に噛むことのできて長持ちする入れ歯治療は残念ながらできません。国の定めている歯科治療は最低限の生活ができる治療なのです。つまり快適に噛めるのではなくなんとなく噛めている状態、硬い物は噛めないけど食事はできる状態とでもいうのでしょうか。これが国が良しとしている歯科治療なのです。

ご自身が入れ歯治療において何を重視してどのようになりたいか、それを実現できる治療はどちらなのかをじっくり考えて決める必要があるのではないかと考えます。

保険の入れ歯なのか、、、

保険適用外の入れ歯なのか、、、(写真は当院で作製したドイツ式入れ歯です)

日本の保険診療制度は難しいので歯医者さん選びは大変ですね。

 

 

筆者プロフィール

著者

イーストワン歯科本八幡
東 郁子

■経歴
  • 平成6年 鶴見大学歯学部 卒業
  • 平成7年 鶴見大学付属病院研修医 修了
  • 平成7年 都内の歯科医院 勤務
  • 平成30年 イーストワン歯科本八幡 開院
■所属学会/スタディグループ
  • ●IPSG包括歯科医療研究会
  • 第2回咬合認定医コース受講 咬合認定医 取得
  • 総義歯の基礎と臨床 受講
  • 顎関節症ライブ実習コース 受講
  • パーシャルデンチャーとテレスコープシステム 理論と実習コース 受講
  • 咬合治療の臨床 受講
  • ●日本臨床歯科医学会
  • レギュラーコース 受講
  • ●顎咬合学会