噛み合わせについて

噛み合わせについて

歯科治療のスタートからゴールまで噛み合わせは切っても切れないもので歯科診療の根本です。
 
噛み合わせの異常はご自身では気が付きにくいものです。
噛み合わせの悪いお口の中の特徴として歯の異常なすり減り、歯茎が痩せている、歯がぐらぐらするなどが挙げられます。また顎関節に異常が出たり頭痛、肩こりなどの症状がある方もいらっしゃいます。
そのような方や虫歯や歯周病の方、入れ歯を作る方も噛み合わせを診査、診断し治療計画をたて噛み合わせを重視した治療を行い歯の寿命を延ばし予防しやすいお口の中の環境を整えていきたいと考えております。

認定証
 
私は噛み合わせの第一人者である元日本歯科大学歯学部教授 稲葉繁先生よりご指導を受け 
IPSG包括歯科医療研究会にて咬合認定医を取得しました。

皆さんが歯の病気で思い浮かぶのは虫歯と歯周病だと思いますがそれだけではありません。

虫歯を治療すると必ず詰め物や被せ物などをします。その時噛み合わせの調整をして噛み合わせを整えます。
この噛み合わせの調整無くして虫歯の治療が完了したとはいえません。

歯周病の原因は歯の汚れである歯垢や歯石に住み着く歯周病菌です。歯周病菌が骨を溶かすケースには二つあります。ひとつは歯周病菌のみが骨を溶かして歯がぐらぐらになってしまうケースです。もうひとつは特定の歯に過大な力がかかると歯を支えている骨が痩せて歯周病菌の住処を作ります。そこで歯周病菌が繁殖しさらに骨が痩せて歯がぐらぐらになってしまうケースです。

このように虫歯も歯周病も常に噛み合わせが関係しているのです。

私達の身体は真ん中を軸にして左右のバランスをとっています。

フェイスボウトランスファーの意義
左右のバランス

身体の中心軸に対して左右の眼を連ねたライン、噛み合わせの面、肩、腰、膝、地面は直交しそれぞれが平行になるのがバランスの良い姿勢です。

例えば歯が1本抜けてそのまま放置すると歯が移動してしまい噛み合わせの面がどちらかに傾いてしまいます。
その傾きによって左右のバランスが崩れるので首や肩、腰などで補正しバランスを保とうとします。
そのひずみが頭痛、肩こり、顎関節症などを引き起こしてしまうのです。

靴擦れをした時、痛くて普通に歩けませんが何とか脚を引きずるようにしながらも歩くことができると思います。
この状態もバランスをとって歩こうとどこかを犠牲にしているのです

先程、身体のバランスのお話をしましたが特に身体のバランスを保つのに重要なのは頸椎です。
首は約8㎏の重さの頭蓋を支えています。その頭蓋骨から下顎は筋肉や腱でぶら下がっていますので噛み合わせのバランスをとることはとても重要となってきます。
顎の関節は耳の前辺りにあり関節によってお口を開いたり閉じたりします。
膝の関節は左右の足がバラバラな動きをすることができます。右足をまげて左足をのばしたり。
顎の関節は左右バラバラな動きができない関節です。右の関節を開けて左の関節を閉じることはできません。
このことからも左右のバランスの大切さがお分かりいただけると思います。

私達の歯は全部で28本(親知らずを除く)あります。
28本をグループに分けると前歯、犬歯、奥歯そして顎関節が噛み合わせに関係します。
それぞれに役割がありバランスをとっています。

前歯、犬歯は食べ物をかみ切る時に使います。
前方に動かした時に上下の前歯の切端が、左右にそれぞれ動かした時左右の犬歯の切端が合わさっているのが正常です。この時上下の奥歯は離れています。

奥歯は食べ物をかみ砕く時に使います。また荷物を持ち上げたり立ち上がったりするときなど食いしばり時に使います。

顎関節は顎を閉じたり開けたりする時に動きます。かみ合わせのバランスが崩れると顎関節症を引き起こすことがあります。 

正常な噛み合わせ

上図のように上の第一小臼歯と第二小臼歯の間に下の第二小臼歯が噛み合うことを1歯対2歯咬合といいます。
このような奥歯の噛み合わせが正常なバランスの良い噛み合わせです。

犬歯

犬歯の切端が噛み合うとき奥歯(反対側の奥歯も)と前歯の上下の間に隙間ができます。
これが正常なバランスの良い噛み合わせです。

上下の前歯

上下の前歯は噛み合っています。

前歯の噛み合わせ

前歯が噛んでおらず離れていたり逆に重なりすぎて上の前歯が下の前歯を覆い被さる噛み合わせはいけません。

8020達成者の歯列咬合の観察

上の表は80歳で20本の歯を残しましょうという8020運動の達成者はどのような噛み合わせだったのかを調べた結果です。

やはり正常咬合と言われるバランスの良い噛み合わせをされている方は多くの歯が残っていることがわかります。
残っている歯がすべて治療していない天然の歯ということでなくこの中には被せ物など虫歯治療をしている歯も含まれています。

被せ物や入れ歯などとご自身の歯を長く持たせるためには噛み合わせのバランスがとても大切なのです。

筆者プロフィール

著者

イーストワン歯科本八幡
東 郁子

■経歴
  • 平成6年 鶴見大学歯学部 卒業
  • 平成7年 鶴見大学付属病院研修医 修了
  • 都内の歯科医院 勤務
  • イーストワン歯科本八幡 開院
■所属学会/スタディグループ
  • ●IPSG包括歯科医療研究会
  • 第2回咬合認定医コース受講 咬合認定医 取得
  • 総義歯の基礎と臨床 受講
  • 顎関節症ライブ実習コース 受講
  • パーシャルデンチャーとテレスコープシステム 理論と実習コース 受講
  • 咬合治療の臨床 受講
  • ●日本臨床歯科医学会
  • レギュラーコース 受講
  • ●顎咬合学会