【なぜ奥歯はホントは「金歯」が最適なのか?】本八幡の歯科医師が解説

query_builder 2025/04/30

「奥歯の被せ物は銀歯、白いセラミック、金歯……結局どれがいいの?」というご質問をよくいただきます。見た目を重視するならセラミックやジルコニア、保険なら銀歯やCAD/CAM冠も選択肢ですが、当院は奥歯には噛む機能を重視して金歯(ゴールドクラウン)をおすすめしています。その理由と、それぞれの特徴・費用・注意点を歯科医師がご説明します。

こんな疑問はありませんか

  • □ 奥歯の被せ物、銀歯・セラミック・金歯のどれを選べばよいか分からない
  • □ 「銀歯は錆びる」と聞いたことがあり、今の銀歯が心配
  • □ 見た目重視でセラミックにしたいが、奥歯でも割れないか不安
  • □ 金属アレルギーが気になる
  • □ 保険と自費、それぞれの違いを正しく知りたい

とくに、ご家族のことを優先して自分の歯を後回しにしてきた方や、人前で口元を見せることをためらう方にとって、奥歯の被せ物選びは「一度決めたらしばらく付き合う治療」だからこそ、後悔したくないものだと思います。この記事では、奥歯の被せ物に使われる素材ごとの特徴、当院の考え方、費用と期間、注意点まで順を追ってご説明します。


奥歯には「噛む力を支える」役割があります

前歯が食べ物を噛み切る役割を持つのに対して、奥歯は食べ物をすりつぶし、強い噛みしめの力を受け止め、噛み合わせ全体を安定させる役割を担っています。奥歯の被せ物を選ぶときは、見た目だけでなく、この「噛む力に耐える強さ」と「歯にぴったり合うこと(適合性)」を重視することが大切だと当院は考えています。


保険の銀歯(金銀パラジウム合金)の特徴

保険の銀歯は、金銀パラジウム合金という金属でできた被せ物です。保険診療のため費用を抑えられる一方で、次のような特徴があります。

  • ・保険診療のため、費用を抑えて治療できます
  • ・金属の色が目立ちやすく、見た目の希望に合わないことがあります
  • ・長期間使用するうちに、表面の変色や腐食が起こることがあります
  • ・金属アレルギーが起こることがあります。ご心配な方は事前にご相談ください

「銀歯が錆びている」と言われて驚いた方へ

外れた銀歯の表側の写真。変色はほとんど見られない 同じ銀歯の裏側(歯に接着していた面)の写真。黒く変色している

「お口の中の銀歯は錆びている」という話を聞いて心配になった方もいらっしゃるかもしれません。実際に、外れた銀歯を確認すると、表側はほとんど変色していなくても、歯に接着していた裏側が黒く変色していることがあります。金銀パラジウム合金は、唾液や飲食物にさらされる環境で、時間の経過とともに表面の変色や腐食が起こることがある金属です。

ただし、「銀歯が錆びると必ず虫歯になる」と一律に言い切れるわけではありません。銀歯が外れる背景には、接着剤の劣化や噛む力による負担など複数の要因が関わっており、腐食だけが直接の原因と決めつけることはできないためです。気になる方は、定期的な検診で銀歯の状態を確認することをおすすめします。


見た目を重視するなら——セラミック・ジルコニア

白く自然な見た目を重視する方には、セラミックやジルコニアという選択肢があります。いずれも自由診療(自費)です。

素材 特徴 向いている方
オールセラミック 金属を使わず、天然歯に近い透明感がある。金属アレルギーの心配がない 見た目を特に重視したい方
フルジルコニア セラミックの中でも硬さがあり、割れにくい。天然歯に比べるとやや白さが出やすい 奥歯で見た目と強さの両方を求める方

セラミック・ジルコニアの被せ物は、表面が滑らかで汚れが付きにくく、金属を使わないため金属アレルギーの心配がありません。一方で、噛む力のかかり方や噛み合わせの状態によっては、表面が欠ける(チッピング)ことがあります。研究では、奥歯にジルコニアの被せ物を入れた場合、噛む面のすり減りがきっかけで欠けが生じた例も報告されています。噛み合わせのバランスを確認したうえで、必要に応じて調整を行うことが、長く使っていただくために大切です。噛み合わせが原因で被せ物が欠けたり取れたりすることがある点については、噛み合わせと精密な被せ物治療についての記事でも詳しくご説明しています。


保険で白くしたいなら——CAD/CAM冠

保険診療で白い被せ物を選びたい場合は、CAD/CAM冠(プラスチックにセラミックの粉を混ぜた材料の被せ物)という選択肢があります。保険診療のため費用は抑えられますが、奥歯は強い力がかかる場所のため、外れる・欠けるといったトラブルが起こることが少なくないと報告されています。保険のCAD/CAM冠の特徴や注意点は、保険のCAD/CAM冠についての記事で詳しくご説明していますので、あわせてご覧ください。

なお、保険診療は決められた材料・設計の範囲内で、費用を抑えて噛む・話す・見た目を回復する役割を担っており、保険だから劣るというものではありません。ご自身が何を優先したいか(費用、見た目、噛む機能の強さ)によって、向いている選択肢は変わってきます。


当院が奥歯におすすめしているのは——金歯(ゴールドクラウン)

当院で使用している歯科用金合金の製品パッケージ 当院で使用している金合金の成分表示(金73.0%・銀9.9%・白金1.0%・銅15.0%)

見た目よりも「しっかり噛める」「長く使える」ことを重視される方には、当院は奥歯の被せ物として金歯(ゴールドクラウン)をおすすめしています。金合金には、次のような特徴があります。

  • ・やわらかく加工しやすいため、歯の細かい形にぴったり適合させやすい素材です
  • ・すり減り方が天然の歯(エナメル質)に近く、噛み合う歯を過度に傷めにくいとされています
  • ・長期間にわたり安定して使用できたという報告があります
  • ・金を多く含む合金は、ニッケルなどを含む金属に比べて口の中で溶け出しにくく、アレルギーの原因になりにくいとされています(金にもアレルギーが起こることはあります)
  • ・金属の色が目立つ可能性があります

金歯というと見た目が気になる方もいらっしゃると思いますが、奥歯は前歯に比べると目立ちにくい位置にあります。見た目もどうしても気になる場所には、ジルコニアなど白い素材をご提案します。噛み合わせや歯ぎしりが強い方、これまで銀歯やCAD/CAM冠が何度も外れた・割れたという方には、金歯が選択肢として向いていることがあります。

当院のこだわり——精密な型どりと噛み合わせの診査

当院では、どの素材を選ばれる場合も、治療前に噛み合わせの診査を行い、寸法変化の少ないシリコン印象材で精密な型取りを行っています。歯と歯ぐきの境目を正確に型取りするための処置(圧排)も行い、被せ物と歯の間に隙間ができにくいよう努めています。素材の適合が良いほど、隙間からの二次的な虫歯のリスクを抑えやすくなると考えています。

また、型取りの前には仮歯を作製し、治療期間中も噛み合わせが崩れないようにしています。信頼している歯科技工士と連携し、色や形についてもご要望を伺いながら製作を進めます。こうした一つひとつの工程の積み重ねが、被せ物を長く快適に使っていただくことにつながると考えています。


素材の比較表

素材 見た目 噛む機能・耐久性 診療区分
金歯(ゴールドクラウン) 金属色が目立つ 適合性が高く、噛む機能を重視する方に向く 自由診療
フルジルコニア やや白さが出やすい 硬く割れにくいが、噛み合わせ次第で欠けることがある 自由診療
オールセラミック 天然歯に近い透明感 見た目重視。強い噛み合わせでは欠けに注意 自由診療
銀歯(金銀パラジウム合金) 金属色が目立つ 保険診療のため費用は抑えられる。経年で変色・腐食することがある 保険診療
CAD/CAM冠 白いが天然歯ほどの透明感はない 保険診療のため費用は抑えられる。すり減りや脱離が比較的多い 保険診療

どの素材にも一長一短があり、優劣で単純に決められるものではありません。噛み合わせの強さ、部位、見た目のご希望、金属アレルギーの有無などを踏まえて、診察のうえでご提案します。前歯の審美治療については前歯のセラミック治療についての記事もあわせてご覧ください。


治療した患者様の症例

当院で実際に治療した症例をご紹介します。費用は治療当時のものであり、現在の費用と異なる場合があります。

症例1:ジルコニアクラウン(1本)

ジルコニアクラウンによる治療症例の写真

治療期間:約3か月(根の治療を含む)/費用:165,000円(治療当時)/リスク・副作用:割れることがあります。検診を怠ると虫歯や歯周病になることがあります。

症例2:ジルコニアクラウン(上あごの奥歯4本)

ジルコニアクラウン治療前の写真 ジルコニアクラウン治療後の写真

治療期間:約半年/費用:660,000円(治療当時・現在の費用と異なる場合があります)/リスク・副作用:検診を怠ると歯周病や虫歯になることがあります。割れることがあります。

症例3:セラミッククラウン(前歯1本)

セラミッククラウンによる治療症例の写真

治療期間:約2か月(治療当時)/費用:198,000円(治療当時・現在の費用と異なる場合があります)/リスク・副作用:割れることがあります。定期的な検診を怠ると虫歯や歯周病のリスクがあります。


こんな方はご相談ください

  • ✅ 銀歯が何度も外れた、割れたことがある
  • ✅ 銀歯の変色や、外れたときの黒ずみが気になった
  • ✅ セラミックにしたいが、奥歯で割れないか不安
  • ✅ 見た目より、しっかり噛めることを優先したい
  • ✅ 金属アレルギーが心配

よくあるご質問

Q. 金歯は見た目が気になりませんか?

A. 奥歯は前歯に比べると目立ちにくい位置にあります。見た目が気になる場所には白い素材もご提案できますので、ご希望をお聞かせください。

Q. 奥歯を金歯にして後悔することはありますか?

A. 考えられるのは「思ったより金色が見える」ということです。大きく口を開けて笑ったときには見えることがあります。また、自由診療のため費用がかかること、まれに金にもアレルギーが起こることも知っておいていただきたい点です。見える位置と噛む力の強さを一緒に確認し、金歯と白い素材のどちらが合うかをご説明してから決めていただきます。

Q. 銀歯を今すぐ替えないといけませんか?

A. 銀歯が変色・腐食していても、すぐに治療が必要とは限りません。定期的な検診で状態を確認し、気になる症状が出てきた場合や、ご自身で見た目や機能を変えたいとお考えの場合にご相談いただくとよいでしょう。

Q. 金属アレルギーが心配です。

A. どの金属にもアレルギーが起こる可能性はゼロではありません。気になる方は、治療前にご相談ください。必要に応じて金属を使わない素材もご提案します。

Q. 保険のCAD/CAM冠ではだめですか?

A. CAD/CAM冠も選択肢のひとつです。ただし奥歯は噛む力が強くかかる部位のため、材料の特性上、すり減りや脱離が起こりやすいとされています。詳しくは保険のCAD/CAM冠についての記事をご覧ください。

Q. 医療費控除は受けられますか?

A. 噛む機能を回復するための被せ物の費用は、医療費控除の対象になることがあります。一般に、1年間に支払った医療費が10万円(所得によってはそれより少ない額)を超えた場合に申告できます。詳しくはお住まいの地域の税務署にご確認ください。


費用について

当院のかぶせ物の費用(税込・1本あたり)は、オールセラミッククラウン 275,000円、フルジルコニアクラウン 220,000円、メタルセラミッククラウン 297,000円、ゴールドクラウン 220,000円です。いずれも自由診療で、保険は使えません。※2026年9月時点の費用です。改定する場合があります。

治療期間は歯の状態によって異なります(上の症例では約2か月〜約半年。根の治療が必要な場合は長くなります)。主なリスク・副作用:被せ物が外れる・割れる・欠けることがあります。金歯は金属の色が見えることがあり、まれに金属アレルギーが起こることがあります。検診を怠ると虫歯や歯周病になることがあります。

保険の銀歯・CAD/CAM冠は保険診療です。


※本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の治療の効果を保証するものではありません。治療内容・費用・期間には個人差があります。金属アレルギーなどのリスクが心配な方は、必ず歯科医師の診察を受けたうえでご相談ください。

奥歯の被せ物選びで迷ったら、まずはご相談ください。お口の状態を拝見したうえで、どの素材が合うか、費用と期間はどのくらいかをご説明します。その日に治療を決める必要はありません。ご相談は、院長が直接お答えする無料メール相談と、レントゲンでお口全体を確認する来院相談(5,500円)をご用意しています。ホームページの予約フォーム、またはお電話でご予約ください。

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イーストワン歯科本八幡

住所:千葉県市川市八幡3-19-1

京成八幡WESTCOURT 2F

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