入れ歯治療の精密検査を勧められ、「何をされるの?」「痛いのでは?」「いくらかかる?」と不安な方へ。レントゲン・型取り・フェイスボウなど検査の内容、1時間ほどの当日の流れ、費用(自由診療)を、本八幡の歯科医師がご説明します。
こんな方は、精密検査をご検討ください
- □ インプラントは難しいと言われ、ほかの方法があるのか知りたい
- □ 入れ歯が合わず、食べ物が噛めない・痛い・外れやすいと感じている
- □ 奥歯を失ったまま、やわらかいものばかり選んで食べている
- □ 歯が何本もぐらついたり欠けたりして、お口全体をどう直せばよいのか分からない
- □ 入れ歯を作り直しても、なぜか落ち着かない
- □ 「精密検査をしましょう」と言われたが、内容も費用も分からず、返事に迷っている
家族の世話や仕事を優先して、ご自分の歯のことは後回しになってきた。気がつけば、人前で口を開けて笑うのをためらうようになった。そんな状態から「もう一度きちんと治したい」と思って歯医者を探したとき、最初に勧められる「精密検査」という言葉に、身構えてしまう方は少なくありません。この記事では、入れ歯治療の精密検査で何を調べるのか、1回にどのくらいかかるのか、費用はどうなっているのかを、順番にご説明します。
精密検査とは、入れ歯治療の前の「設計図づくり」
家を建てる前には、土地の広さや地盤、周りの建物との関係を調べて設計図を描きます。入れ歯治療も同じです。お口の中には、残っている歯、歯を支える骨、歯ぐき、あごの関節、そして上下の歯がどう噛み合うか、という要素があります。これらを一度にきちんと把握しないまま入れ歯を作ると、痛い場所が見つからないまま調整を繰り返すことになったり、せっかく作ったものが合わなかったりすることがあります。
当院でいう「精密検査」は、治療方針・設計・治療計画・お見積りを出すための検査です。むし歯や歯周病の有無を調べるだけでなく、レントゲン、写真、型取り、噛み合わせの記録を組み合わせて、お口全体の状態を立体的につかみます。そのうえで、治療方針と設計、治療計画、お見積りを出します。
なお、精密検査は入れ歯治療を検討する方のための検査です。「とりあえず今の状態を知りたい」「まず話を聞きたい」という場合は、後ほどご説明する、もう少し手前の相談の段階もご用意しています。
精密検査で行う検査の一覧
当院の精密検査で行う検査を、まず一覧にまとめます。聞きなれない言葉は、専門的な呼び方を添えてやさしく言い換えています。
| 検査 | やさしい言い方 | 何が分かるか |
|---|---|---|
| パノラマレントゲン撮影 | お口全体を1枚で写すレントゲン | あご全体の骨の状態、歯の本数、歯を失った場所などの全体像 |
| デンタルレントゲン撮影(10枚法) | お口の中を10枚に分けて撮る、小さなレントゲン | 1本ずつの歯の根の状態、歯を支える骨の細かな変化など |
| 口腔内撮影 | お口の中の写真 | 今の歯・歯ぐき・入れ歯の状態の記録。治療計画の説明にも使います |
| 全身の姿勢・顔貌の写真撮影 | お顔と姿勢の写真(必要に応じて) | 治療前の評価と、治療の前後でどう変わったかを見るための記録 |
| 上下顎の印象(専門的な呼び方。上下の型取り) | 上下の歯の型取り | 歯ならびや歯ぐきの形を石膏の模型にして、お口の外でじっくり確認する |
| フェイスボウトランスファー | 顔に対する上あごの位置を器具で記録して、模型に写すこと | 模型を咬合器に取り付けるときの、上あごの位置と向きの手がかり |
| 中心位の咬合採得 | あごの関節が無理なく落ち着く位置での噛み合わせを記録すること | 上下の模型を、お口の中と同じ関係に合わせるための手がかり |
| 歯周病検査 | 歯ぐきの状態の検査 | 歯周ポケット(歯と歯ぐきの溝)の深さ、出血、歯のぐらつき |
| う蝕検査(専門的な呼び方。むし歯の検査) | むし歯の検査 | むし歯の有無と、詰め物・被せ物の状態 |
これらを組み合わせて、治療方針・設計・治療計画・お見積りを出します。1つ1つが何のために行われるのかを、次の章から順に見ていきましょう。
レントゲン撮影——パノラマとデンタル10枚法
お口の中は、見えている部分だけでは分かりません。歯の根や、歯を支える骨は歯ぐきの下にあるため、レントゲンで写して初めて分かることがたくさんあります。精密検査では、種類の違う2つのレントゲンを撮ります。
パノラマレントゲン——お口全体を1枚で見る
パノラマレントゲンは、上下のあご全体を1枚の写真に収める撮影です。機械が顔のまわりをぐるりと回るあいだ、じっとしていただきます。この1枚で、歯の本数、歯を失った場所、あごの骨の状態などを一度に確認できます。「お口の中がいまどうなっているのか」の地図のようなものです。
デンタルレントゲン(10枚法)——1本ずつを細かく見る
パノラマは全体を見渡すのに向いていますが、1本ずつの細かな変化までは分かりにくいことがあります。そこで、お口の中に小さな撮影用の板を入れて、歯の根や、根を取り巻く骨を1本から数本ずつ細かく写すのが、デンタルレントゲンです。「10枚法」は、お口の中全体を10枚に分けて撮る方法です。歯の根の状態や、歯周病で歯を支える骨がどうなっているかといったことを読み取ります。
小さな板をお口の中に入れるため、口の大きさや舌の動きによっては、少し苦しく感じる方もいらっしゃいます。
お口の中とお顔・姿勢の写真
精密検査では、お口の中の写真(口腔内撮影)も撮ります。歯の色や形、歯ぐきの状態、すり減っているところ、詰め物や被せ物の状態など、お口の中の現状を画像で記録しておくためです。治療計画をご説明するときにも使います。
また、必要に応じて、お顔と姿勢の写真も撮影します。治療前の状態を評価し、治療の前と後でどのように変わったかを見るために撮影します。
型取りと噛み合わせの記録——模型の上で「噛み合わせ」を調べる
「噛み合わせ 検査」というと、お口の中を見るだけで終わると思われがちですが、お口の外で模型を使って調べる部分も大切です。そのために、型取りと、噛み合わせの記録を行います。
上下の型取り
型取り(専門的には「印象採得」といいます)は、やわらかい材料をトレーという器に入れてお口に入れ、固まるまで数分そのままお待ちいただく検査です。上の歯と下の歯、それぞれ行います。この型に石膏を流して、お口の形をそのまま写した模型を作ります。模型があれば、お口の中では見えにくい角度から、歯の傾きや、歯ぐきの形、上下の歯の位置関係をじっくり確認できます。
固まるのを待つ数分間は、口を開けたまま、鼻で呼吸して待つことになります。喉の奥が刺激されやすい方、えずきやすい方は、事前にお伝えください。
フェイスボウトランスファー——上あごの位置を模型に写す
フェイスボウ(顔弓)は、顔に対して上あごがどの位置・どの向きにあるのかを記録する器具です。専門的には「フェイスボウトランスファー」といいますが、言い換えると、「顔に対する上あごの位置を器具で記録して、模型に写すこと」です。顔に器具を当てて位置を測り、その記録を、模型を取り付ける装置に移します。
この記録を使うと、模型の上で、あごの位置や動きを再現して、設計を考えることができます。装置(咬合器・こうごうき)とフェイスボウの詳しい説明は、噛み合わせと肩こり・頭痛についての記事に載せていますので、ご興味のある方はあわせてご覧ください。
中心位の咬合採得——あごの関節が落ち着く位置での噛み合わせを記録する
もうひとつ大切なのが、上下の歯の噛み合わせの記録です。専門的には「中心位の咬合採得」といいますが、言い換えると、「あごの関節が無理なく落ち着く位置での噛み合わせを記録すること」です。歯を失った方や、入れ歯を長く使ってきた方は、いつの間にか噛み合わせの位置がずれていることがあります。そのため、「ふだんの噛み方」だけでなく、あごの関節が自然に収まる位置を探して、その位置での上下の関係を記録します。
この記録があると、上下の模型を、お口の中と同じ関係に合わせることができます。そうしてできた模型を、あごの動きを再現できる装置(咬合器)に取り付けて、噛み合わせを診査します。このとき、先ほどのフェイスボウの記録も使います。
ここで、正直にお伝えしておきたいことがあります。これらの記録は、あくまで「模型の上で、あごの位置や動きを再現して、設計を考えるため」に行うものです。記録をしたから必ず合う入れ歯になる、というものではありません。入れ歯が合うかどうかは、設計だけでなく、作る工程や、お使いになってからの調整など、さまざまなことが関わります。
歯周病検査とむし歯の検査
入れ歯治療を始める前に、お口の中の病気の状態をきちんと把握しておく必要があります。歯周病やむし歯が見つからないまま治療を進めると、せっかく入れ歯や被せ物を作っても、土台になる歯や骨が傷んでしまうことがあるからです。
歯周病検査
歯周病検査では、細い器具を歯と歯ぐきの間の溝にそっと差し込んで、溝の深さを測ります。溝が深くなっているほど、歯周病が進んでいる可能性があります。あわせて、歯ぐきから血が出るか、歯がぐらぐらしていないか、なども確認します。歯ぐきに炎症があるところでは、器具が触れたときに出血したり、しみるように感じたりすることがあります。
歯周病は、初期にはほとんど自覚症状がなく、気づかないうちに歯を支える骨がやせていくことがあります。「歯ぐきから血が出るのが普通になっている」「歯が少し動く気がする」という方は、検査で今の状態を確認しておくことが大切です。
むし歯の検査
むし歯の検査では、歯の表面を見たり、器具で触れたりして、むし歯の有無を確認します。レントゲンと組み合わせて、詰め物や被せ物のまわりにむし歯がないかどうかも調べます。ただし、詰め物や被せ物の内側までは、レントゲンを使ってもすべてを確認することはできません。詰め物や被せ物を外してみて、初めてむし歯が分かることもあります。残せる歯かどうか、治療が必要な歯はどこか、を判断するための材料になります。
相談から見積もりまで、来院は3回——精密検査はその2回目
当院では、初診のご相談から、治療方針・見積もりをお出しするまでに、来院は3回です。間隔は1週間おきです。
- 1. 初診のご相談(来院相談・5,500円)
- 2. 精密検査(1時間ほど)
- 3. ご説明(治療方針・設計・治療計画・お見積り)
1回目は初診のご相談(来院相談・5,500円)です。2回目が、この記事でご説明している精密検査です。3回目で、検査の結果をもとに、治療方針、設計、治療計画、お見積りをご説明します。相談の流れは、こちらの記事にも載せています。
精密検査当日の流れと所要時間
精密検査の所要時間は、1時間ほどです。持ち物は、特にありません。服用中のお薬がある方は、お薬手帳をお持ちいただければ十分です。
1時間のあいだに、先ほどご説明した検査を行います。ご紹介しやすいように並べると、次のとおりです。
- ・レントゲン撮影:パノラマレントゲン、デンタルレントゲン10枚法
- ・写真撮影:お口の中の写真、必要に応じてお顔と姿勢の写真
- ・型取りと噛み合わせの記録:上下の型取り、フェイスボウ、中心位での噛み合わせの記録
- ・歯周病検査、むし歯の検査
1時間のうち、お口を開けたり、閉じたり、じっとしたりする時間が続きます。顎が疲れやすい方、長く口を開けているのがつらい方は、あらかじめお伝えください。
検査で集めた情報をもとに、設計を整えて、3回目にあらためてご説明します。
検査を受けるときのリスク・注意点
精密検査は、お口の状態を調べるための検査で、歯を削ったり、抜いたりする治療ではありません。ただ、検査ならではの負担や注意点があります。
- ・型取りの材料で、気分が悪くなりやすい方、えずきやすい方がいらっしゃいます。該当する方は事前にお伝えください。
- ・1時間ほど、口を開けたり閉じたりする時間が続きます。顎が疲れることがあります。
- ・歯周病検査で、歯ぐきに炎症があると、出血したり、しみるように感じたりすることがあります。
- ・精密検査は自由診療(保険がきかない診療)で、費用がかかります。
精密検査の費用——自由診療で33,000円(税込)
精密検査の費用(税込)は、33,000円です。精密検査は自由診療で、保険はききません。内容は、レントゲン写真・お口の中の写真の撮影、模型を咬合器に取り付けての噛み合わせの診査、そのうえでの確定的な治療計画とお見積りのご提案です。
初回のご相談は、お口の状態や、お知りになりたい内容に合わせて、次の3つの段階から選べます。
| 段階 | 費用(税込) | 内容 |
|---|---|---|
| 無料メール相談 | 無料 | 院長が直接メールでお答えします。診察とレントゲン撮影は行いません。 |
| 来院相談 | 5,500円 | パノラマレントゲンでお口全体を確認し、概算の治療計画(治療法・おおよその費用・期間)をご説明します。 |
| 精密検査・治療計画・お見積り | 33,000円 | 入れ歯治療をご検討の方に行う検査です。レントゲン写真・口腔内写真を撮影し、模型を咬合器に取り付けて噛み合わせを診査します。そのうえで、確定的な治療計画とお見積りをご提案します。 |
かぶせ物(クラウン)のみのご相談では、簡易診査(16,500円)をご案内する場合があります。最新の費用は、料金ページをご覧ください。精密検査のあとに選ぶ治療の費用は、検査の結果をもとに、3回目のご説明でお見積りとしてお伝えします。
よくあるご質問
Q. 精密検査は痛いですか?
A. レントゲン撮影や写真撮影は、痛みを伴う検査ではありません。型取りは、材料が固まるまで数分、口を開けて待つ時間があります。歯周病検査では、歯ぐきに炎症があるところで、器具が触れると出血したり、しみたりすることがあります。感じ方には個人差がありますので、ご不安な点は事前にお伝えください。
Q. 持ち物はありますか?
A. 特にありません。服用中のお薬がある方は、お薬手帳をお持ちください。
Q. 何回通えば、見積もりまで出ますか?
A. 初診のご相談(来院相談・5,500円)、精密検査、ご説明(治療方針・設計・治療計画・見積もり)の3回です。間隔は1週間おきです。
Q. 費用はいくらですか?
A. 精密検査・治療計画・お見積りは33,000円(税込)で、自由診療です。初回のご相談には、無料メール相談と来院相談(5,500円)もあります。
Q. 精密検査を受けたら、治療を受けなければいけませんか?
A. 検査のあと、治療を受けるかどうかはご自身で決めていただけます。お断りいただくこともできます。ただし、精密検査の費用(33,000円)は返金できませんので、ご了承ください。
Q. えずきやすいのですが、型取りはできますか?
A. 型取りの材料でえずきやすい方、気分が悪くなりやすい方は、事前にお伝えください。無理をなさらず、まずはご相談ください。
Q. 他院でインプラントは難しいと言われました。相談できますか?
A. インプラントができるかどうかは、あごの骨の状態や全身の状態などによって変わります。精密検査では、歯や骨の状態を詳しく調べます。そのうえで、入れ歯を含めた選択肢を、治療方針としてご説明します。入れ歯の種類については、入れ歯の種類についての記事でも基本をご説明しています。
ご相談の案内
入れ歯治療は、治療を始めてから「こうなるはずではなかった」とならないように、最初にお口の状態を正確に調べることが大切だと考えています。精密検査は、そのための検査です。これからの毎日を、歯のことで悩まずに過ごしていただくための最初の一歩です。千葉県市川市・本八幡駅周辺にお住まいの方も、少し離れた地域からお越しになる方も、ご不安な点があれば、まずはご相談ください。
ドイツ式の入れ歯(テレスコープ義歯)についてのご案内はこちらのページにまとめています。ご相談は、ホームページの予約フォーム、またはお電話(047-369-6639)でご予約ください。
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の治療の効果を保証するものではありません。検査の内容は、お口の状態によって異なることがあります。精密検査は自由診療です。その後の入れ歯治療の費用は、治療内容によって異なります。治療内容・費用・期間には個人差があります。ご不安な点がある方は、歯科医師の診察を受けたうえでご相談ください。
イーストワン歯科本八幡
住所:千葉県市川市八幡3-19-1
京成八幡WESTCOURT 2F
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