【歯のホワイトニングとクリーニングの違い】現役歯科医師が解説します!

【歯のホワイトニングとクリーニングの違い】現役歯科医師が解説します!

近頃40代、50代の女性の型からホワイトニングのお問い合わせが増えています。白い歯になると明るい笑顔になって若返りますよね。

この記事ではホワイトニングとクリーニングの違いについて解説します。

目次

1章:ホワイトニングとクリーニングの違い

1-1:ホワイトニングとは

1-2:ホワイトニングの施術の流れ

1-3:ホワイトニングの症例

2章:クリーニングとは

2-1:クリーニングの流れ

1章:ホワイトニングとクリーニングの違い

ホワイトニングもクリーニングも歯を綺麗にすることを目的とした施術です。しかしホワイトニングは歯の色素を分解して白くするものでそれに対しクリーニングは歯石や歯の表面についた色素(コーヒーやお茶など)、たばこのヤニを落とす施術をいいます。クリーニングは黄ばんだシャツを白くするように歯を白くする効果はありません。

1-1:ホワイトニングとは

ホワイトニングとは黄ばんだ歯を漂白して白い歯にする施術です。歯の表面に薬剤を置くと薬剤の主な成分である過酸化水素が歯の表面のエナメル質の色素を分解し白くなります。ホワイトニングにはオフィスホワイトニングとホームホワイトニング、両者を併用したものの3種類あります。ホワイトニング施術前には事前にお口の中をチェックして必要であれば虫歯、歯周病などの治療を終えておく必要があります。また以下のようなホワイトニングができない、効果が期待できないケースがあります。事前に確認しておきましょう。

※ホワイトニングができない方

・無カタラーゼ症

・光線アレルギー

・エナメル質形成不全症

・妊娠中、授乳中の女性

・ホワイトニング剤、マウストレーの材質にアレルギーがある

・虫歯、歯周病

・知覚過敏

・ヘルペス

・18歳以下

※ホワイトニングの効果が期待できない方

・テトラサイクリンによる歯の変色

・被せ物や詰め物など人工の歯がある

・歯の神経を取って変色している

1-1-1:オフィスホワイトニング

オフィスホワイトニングは歯科医院で行うホワイトニングです。ホワイトニングの薬剤を歯の表面に塗布し白くするものです。オフィスホワイトニングで使用される薬剤の濃度は高い為、歯に負担が掛かりやすいです。

ホワイトニングの効果はおおよそ6か月です。定期的に行うことで歯の白さを保つことができるでしょう。オフィスホワイトニングを行った歯は着色が汚れが付きにくくなると言われています。

<メリット>

・1回の施術で効果がわかる

・歯科医院で行うので安心して受けられる

<デメリット>

・1回の施術時間が長い(約1時間から1時間30分)

・後戻りがある

・しみることがある

・施術後最低1時間は色の濃い食べ物など飲食できない

ホワイトニングを行う前に口腔内の検査を行います。虫歯や歯周病があればその治療を優先しないとホワイトニングはできません。

<所要時間> 約2時間

<費用>   ¥33,000

1-1-2:ホームホワイトニング

歯科医院で処方されたホワイトニングの薬剤をマウスピースに入れてご自宅で装着するものです。ホームホワイトニングで使用される薬剤の濃度は低いので歯に負担が掛かりにくいです。

ホワイトニングの効果はおおよそ1,2か月です。2か月に1度程度行うと白さを保つことができるでしょう。

<メリット>

・自分の好きな時間に行うことができる

・効果が持続しやすい

<デメリット>

・効果がでるまで時間がかかる

・装着中は飲食できない(装着時間は約2時間です)

・後戻りがある

・しみることがある

・施術後最低1時間は色の濃い食べ物など飲食できない

ホワイトニングを行う前に口腔内の検査を行います。虫歯や歯周病があればその治療を優先しないとホワイトニングはできません。

<所要時間> 約1時間

<費用>   ¥22,000

1-1-3:デュアルホワイトニング

デュアルホワイトニングは歯科医院で行うオフィスホワイトニングとご自宅で行うホームホワイトニングを組み合わせたものです。オフィスホワイトニングで白くした後にホームホワイトニングをすることで効果を持続できます。

<メリット>

・オフィスホワイトニングの即効性とホームホワイトニングの持続性を兼ね備えている

<デメリット>

・オフィスホワイトニング、ホームホワイトニングの両方のデメリットがある

ホワイトニングを行う前に口腔内の検査を行います。虫歯や歯周病があればその治療を優先しないとホワイトニングはできません。

<所要時間>  約2時間

<費用>    ¥55,000

1-2:ホワイトニングの施術の流れ

1-2-1:オフィスホワイトニングの施術の流れ

ホワイトニングの流れを説明します。まず、事前にご来院頂きお口の中の診査をします。

1.ホワイトニング前の事前のお口の中の診査

ホワイトニングの注意事項を説明しお口の中の診査をします。虫歯や歯周病があれば優先して治療します。

2、ホワイトニング当日

(1)歯のクリーニングを行います。施術前の写真を撮ります。

(2)歯の面に薬剤を塗布し一定時間置きます。

(3)変化した歯の色を確認し薬剤を除去します。

(4)写真を撮り終了

1-2-2:ホームホワイトニングの施術の流れ

(1)お口の中の診査し虫歯や歯周病があればその治療を優先します。

(2)歯のクリーニングを行い写真を撮ります。

(3)ホワイトニングの薬剤をお渡します。

(4)ご自宅で使用して頂きます。

1-3:オフィスホワイトニングの症例

先日、エステティシャンの方がお見えになり「昔エステに勤めていた時の大先輩がホワイトニングをして歯の色が自然な(新庄監督のようでなく)白い歯になって凄くうらやましかったんです。私も是非やってみたいです。」とご希望されオフィスホワイトニングを行いました。

ホワイトニング当日、直前にクリーニングを行い、いよいよスタートです。

ホワイトニング前

 

そしてホワイトニング後

写真ですと分かりにくいのが残念ですが全体的に白くなっているのでお顔全体が明るく見え笑顔がさらに若々しく素敵になりました。 マスク生活もそろそろ終わりに近づいているようです。マスクを外して白い歯が見えると笑顔が美しくなりますよ。

オフィスホワイトニングの費用: ¥33,000

オフィスホワイトニングの所要時間:約2時間

<ホワイトニングのリスク>

オフィスホワイトニング、ホームホワイトニングの両方には以下に挙げる注意点があります。

・虫歯、歯周病の治療を終えていないとできません。

・ホワイトニングの施術中、施術後に凍みることがあります。

・ホワイトニング後の色は後戻りしますので定期的に行うことをお勧めします。

・詰め物、被せ物はホワイトニングによって白くなりません。

・ホワイトニング直後は赤ワイン、コーヒー、カレーなどの色の濃い食べ物は避けて下さい。

2章:クリーニングとは

歯のクリーニングは歯の表面に付いた歯垢、歯石、茶渋などの着色汚れなどを専用の器械を用いて除去して綺麗にする施術です。

毎日歯ブラシをしていても歯垢や歯石は付いてしまうものです。古い蓄積された歯垢や歯石は歯ブラシでは落とせません。お口の中の細菌は歯の表面にぬるっとしたバイオフィルムと呼ぶ汚れを付きやすくする膜を作ります。バイオフィルムは私たちの身近に存在します。例えば台所のシンクやお風呂場の排水溝のぬめりです。このぬめりの上にどんどん汚れが蓄積されていきます。バイオフィルムは普段の歯磨きでは落とせないのでこのような汚れを歯科医院にて専用の器械で取り綺麗にすることで歯周病、虫歯の予防効果があります。

2-1:クリーニングの流れ

1、お口の中のチェック:気になることをお伺いしお口の中の検査をします。

2、歯周病の検査:歯と歯茎の境の歯周ポケットと呼ぶ溝の深さを測ります。

3,汚れを染め出し、歯ブラシの説明:染め出し液で歯垢を染め出し磨き残しの部分を患者様と確認しブラッシングの説明をします。

4、歯垢、歯石の除去:手用の道具や超音波の器械を用いて歯垢や歯石を取ります。歯周病が進んでいる方や多くの歯石が付いている方は痛みを感じることがあります。

5、歯の表面を磨く:歯の表面を専用のブラシと傷が付きにくい研磨剤によって磨いていきます。最後にアパタイトが含まれる研磨剤で歯をつるつるに仕上げます。アパタイトは歯の質の強化の効果もあります。

6、歯肉マッサージ

7、フッ素塗布:虫歯予防と歯の質の強化の目的にフッ素を塗布します。

<所要時間> 約1時間30分

<費用>   ¥9,900

まとめ

ホワイトニングは歯の内側の黄ばみを薬剤によって白くするもの、クリーニングは歯の表面の着色を落とすものです。ホワイトニングは後戻りをするので白い歯を維持したい方はオフィスホワイトニングとホームホワイトニングを併用したデュアルホワイトニングが良いでしょう。クリーニングはコーヒーや赤ワインなどの色の濃いものがお好きな方で着色しやすい方は1〜3か月に1度行った方が良いでしょう。

 

 

筆者プロフィール

著者

イーストワン歯科本八幡
東 郁子

■経歴
  • 平成6年 鶴見大学歯学部 卒業
  • 平成7年 鶴見大学付属病院研修医 修了
  • 平成7年 都内の歯科医院 勤務
  • 平成30年 イーストワン歯科本八幡 開院
■所属学会/スタディグループ
  • ●IPSG包括歯科医療研究会
  • 第2回咬合認定医コース受講 咬合認定医 取得
  • 総義歯の基礎と臨床 受講
  • 顎関節症ライブ実習コース 受講
  • パーシャルデンチャーとテレスコープシステム 理論と実習コース 受講
  • 咬合治療の臨床 受講
  • ●日本臨床歯科医学会
  • レギュラーコース 受講
  • ●顎咬合学会