虫歯じゃないのに歯が痛いのはなぜ?

虫歯じゃないのに歯が痛いのはなぜ?

噛むと歯が痛い、冷たいものでしみるという患者様のお口の中を拝見しレントゲンと合わせて虫歯ではないと診断すると痛いのに虫歯じゃないのですか?と良く言われます。「どうして?なんで?」って顔をされます。

このような症状があるのに虫歯でない方の歯は

歯の噛む面がすり減って象牙質がむき出しになっている
歯の横の根元に近い部分の象牙質がむき出しになっている
ことが多いです。

象牙質は歯の最表層のエナメル質の下にあり知覚を司っています特に痛みの感覚を担っています。
コマーシャルでよく耳にする「知覚過敏に効く歯磨き粉シュ〇テクト」はむき出しになった象牙質に対する痛みを感じる感覚を和らげることに特化した歯磨き粉ということで販売されています。

この痛みのそもそもの原因は歯の噛む面をすり減らせてしまう、歯の横の付け根の部分をむき出しさせてしまうような噛む力とその力の伝わる方向にあります。根本的に治すには噛み合わせを治すことです。

患者様に説明するとたいていは「噛み合わせと知覚過敏は関係あるの?」って顔をされるのですが

「歯列矯正をして知覚過敏で不快な思いをしなくなった」という患者様がいらっしゃいます。
このような証言をしていただくと皆様納得されるのではないでしょうか。

歯列矯正までせず噛み合わせの調整で知覚過敏がおさまった方もいらっしゃいます。

「歯の痛みは虫歯と歯周病だけでないこと」「噛み合わせが原因で痛くなることもあること」を皆さんにご理解いただきたいです。その噛み合わせの不具合によって何の問題の無い歯が割れることがあることも知っておいていただきたいです。

上の写真の右側の銀歯から3番目の歯が中央で割れています。

歯が割れてしまったら抜歯をするしかなくなりますので知覚過敏が生じたら早めに歯科医院を受診し嚙み合わせを診てもらいましょう。

 

    

 
 

 

 

筆者プロフィール

著者

イーストワン歯科本八幡
東 郁子

■経歴
  • 平成6年 鶴見大学歯学部 卒業
  • 平成7年 鶴見大学付属病院研修医 修了
  • 平成7年 都内の歯科医院 勤務
  • 平成30年 イーストワン歯科本八幡 開院
■所属学会/スタディグループ
  • ●IPSG包括歯科医療研究会
  • 第2回咬合認定医コース受講 咬合認定医 取得
  • 総義歯の基礎と臨床 受講
  • 顎関節症ライブ実習コース 受講
  • パーシャルデンチャーとテレスコープシステム 理論と実習コース 受講
  • 咬合治療の臨床 受講
  • ●日本臨床歯科医学会
  • レギュラーコース 受講
  • ●顎咬合学会