長いブリッジは長持ちしますか?

長いブリッジの寿命について

ブリッジは歯の欠損している部分を残っている歯を利用して繋げた被せ物で治療する方法です。

例えば1本欠損の場合はその両サイドの歯を削って3本繋がったブリッジと呼ばれる被せ物をします。

長いブリッジが必要なお口の中は1,2本ではなく数本の歯が欠損している状態です。長いブリッジを選択する際にはどのような点に注意すべきなのでしょうか?こちらの記事をぜひ参考にして下さい。

ブッリジの寿命を決める要素

・欠損の歯の本数

・残っている歯の位置

・残っている歯の神経が残っているか神経を取る治療をしているか

・神経を取る治療している歯の中に芯棒(ポストコアと呼びます)の材料、太さ、長さ

・神経を取る治療をしている歯の歯茎より上に出ている歯の量

・残っている歯が歯周病かどうか

 

これらのことがブリッジの寿命に影響します。具体的にご説明していきましょう。

・欠損の歯の本数

歯の本数は上下それぞれ14本(親知らずを除く)あります。残っている歯が多ければ当然長持ちします。

・残っている歯の位置

例えば残っている歯の本数が6本でと左右にそれぞれ奥歯2本、犬歯1本残っている場合と前歯のみ6本残っている場合では後者ではブリッジができません。

4本の脚のある椅子が安定するように残っている歯が椅子のような配置で残ているとブリッジも安定します。

・残っている歯の神経が残っているか神経を取る治療をしているか

残っている歯が前述のように安定した位置にあっても神経の取っている歯ですと長持ちしません。神経を取った歯は枯れ木と同様に脆いのです。

・神経を取る治療している歯の中に芯棒(ポストコアと呼びます)の材料、太さ、長さ

神経を取った歯は通常ポストコアと呼ばれる芯棒を入れます。その芯棒の太さが太く長くそして硬い金属であると歯の厚みが薄くなるため歯に亀裂が入ったり割れてしまい抜歯のリスクが高まります。

・神経を取る治療をしている歯の歯茎より上に出ている歯の量

残っている歯が歯茎の縁から出ている高さ、厚みがあればあるほど条件は良くなります。

・残っている歯が歯周病かどうか

これは歯の中の神経があるなしに関わらず歯周病でぐらついている歯は欠損部を補う歯には使えません。

こちらの写真の緑の矢印の歯は神経のない歯です。赤で囲った3本の前歯は神経がなく根が短いので状態が悪いです。このケースでは長いブリッジを作ることは可能ですが10年持つかどうかは保証できません。

まとめ

以上のように長いブリッジの寿命は患者様のお口の中の状態によりかなり変わってきます。

長いブリッジが可能かどうか歯科医院で診断してもらうのが良いでしょう。

上記の写真の患者様は当院にて取り外しのできるブリッジ(ドイツ式入れ歯の一種です。)を作製しました。

ブリッジの支えの歯が抜歯となった場合に入れ歯の形に修理できるのが特徴です。

レバーが出ていますがこれを閉じると外れないようになります。

治療内容 上顎 7本を利用したリーゲルテレスコープ
治療期間 約8か月
費⽤ ¥3,850,000
リスク 残存歯が虫歯や歯周病にならないよう定期健診が必要。

筆者プロフィール

著者

イーストワン歯科本八幡
東 郁子

■経歴
  • 平成6年 鶴見大学歯学部 卒業
  • 平成7年 鶴見大学付属病院研修医 修了
  • 平成7年 都内の歯科医院 勤務
  • 平成30年 イーストワン歯科本八幡 開院
■所属学会/スタディグループ
  • ●IPSG包括歯科医療研究会
  • 第2回咬合認定医コース受講 咬合認定医 取得
  • 総義歯の基礎と臨床 受講
  • 顎関節症ライブ実習コース 受講
  • パーシャルデンチャーとテレスコープシステム 理論と実習コース 受講
  • 咬合治療の臨床 受講
  • ●日本臨床歯科医学会
  • レギュラーコース 受講
  • ●顎咬合学会