セラミックの被せ物 

歯科医院で
 被せ物を銀歯(保険適用)とセラミックの被せ物(保険適用外)
 どちらにしますか?
と聞かれたことがあると思います。
なぜセラミックを勧められるのでしょうか?

国民皆保険が始まった頃は日本人の歯は虫歯だらけでアレルギーなど身体への影響を考慮せず当時は安価な金銀パラジウム合金を使用してきた流れで現在も使用されています。銀が50%含まれているので錆びてきます。錆びると接着剤が溶けて隙間ができ細菌が侵入しまた虫歯になってしまいます。
悪循環ですね。
セラミックは錆びませんし生体適合性が良い身体に優しい材料です。
治療した歯の寿命を延ばすためにセラミックを勧めるのです。

セラミックなど健康保険で定められている材料以外のものは保険適用外になります。国の社会保障費はひっ迫しているので今後セラミックやインプラントが保険適用にはならないでしょう。と思います、、、

セラミックの被せ物を製作するには主に歯科医師、歯科技工士が携わります

当院でセラミックの被せ物をする場合の大まかな流れを説明します
1,当院ではまず嚙み合わせの診査から始まります
  治療の前に現状の歯型をとり石膏模型にします
  KAVOの咬合器に付着して嚙み合わせの診査を
します
  ケースによって嚙み合わせの調整をします
  セラミックの被せ物の寿命に関係するからです

2,仮歯を作ります
  どこの歯科医院でも前歯は歯抜け状態に
  なってしまうので
  仮歯を作ると思いますが奥歯1本でも作ります。
  仮歯がなく仮の蓋のようなものだと噛みにくく
  偏った噛み合わせになりその位置で被せ物が
  作られてしまうからです。

3,型取りの準備をします
  精密な型取りをするためにはまずルーペを使用
  して歯の形を整えます。
  次に「圧排」をします。削ったラインとその下の
  歯の質を正確に明示し被せ物を作る模型を正確に
  作るために必ず必要な手技です。
  これをやらない歯科医院もありますよ。

4,型取りをします
  精密な型取りをするにはシリコン印象材と
  呼ばれる材料を使用します
  ピンクのひんやりするアルジネート印象材
  と寒天のコンビの型取りとは精度が違います。

5,フェイスボウトランスファーと噛み合わせを
  とります
  耳慣れないフェイスボウトランスファーとは
  簡単に言いますと
  顔と顎の関係の位置決めです。

  嚙み合わせをとる材料も精密にとれる材料を
  使います。
  普通はパラフィンワックスと呼ばれるロウを使いますが
  変形の少ないシリコンを使います。

ここまでは歯科医師の私の仕事です。
当院で行っている最初の噛み合わせ診断、前歯以外の仮歯作製、圧排、シリコン材料での型取り、フェイスボウトランスファー
を行わない歯科医院があるかもしれません、、、

同じセラミックという材料でも手間をかけて作製しています。
同じ高級食材で盛り付けが同じでも手間をかけて作るのとそうでないものに味の差がでるのと同じですね。

型をとったあとは歯科技工士さんがセラミックの被せ物を作製します。
歯科技工士はある意味では職人ですので経験や腕に差があります。
当院では私自身が被せ物をするときは絶対作ってほしい技工士さんに
お願いしています。ご安心ください。

当院では嚙み合わせの診査診断をして治療計画をたてテレスコープ義歯(ドイツ式入れ歯)、セラミックの被せ物を作製します。(保険適用外です)

 

 

筆者プロフィール

著者

イーストワン歯科本八幡
東 郁子

■経歴
  • 平成6年 鶴見大学歯学部 卒業
  • 平成7年 鶴見大学付属病院研修医 修了
  • 平成7年 都内の歯科医院 勤務
  • 平成30年 イーストワン歯科本八幡 開院
■所属学会/スタディグループ
  • ●IPSG包括歯科医療研究会
  • 第2回咬合認定医コース受講 咬合認定医 取得
  • 総義歯の基礎と臨床 受講
  • 顎関節症ライブ実習コース 受講
  • パーシャルデンチャーとテレスコープシステム 理論と実習コース 受講
  • 咬合治療の臨床 受講
  • ●日本臨床歯科医学会
  • レギュラーコース 受講
  • ●顎咬合学会