【インプラントができないと言われた方へ】理由と、いま確かめられること――入れ歯という選択肢

query_builder 2026/06/19

「インプラントができない」と言われた方へ。骨が少ない・糖尿病・関節リウマチなどの持病・お薬——理由はさまざまで、条件が整えば可能になる場合もあります。可否の判断は主治医と歯科医師が行います。入れ歯という選択肢もあわせて、市川市本八幡の歯科医師がまとめました。

「インプラントができない」と言われて戸惑っている方へ

他院でインプラントの相談をして、「今の状態では難しい」「できない」と言われた方の多くが、次のような不安を抱えていらっしゃいます。

  • □ 骨が足りないと言われた
  • □ 糖尿病がある
  • □ 関節リウマチや膠原病などの持病がある
  • □ 骨粗しょう症のお薬を服用している
  • □ 血をサラサラにするお薬(抗血栓薬)を服用している
  • □ すでにインプラントが入っていて、追加の手術は避けたい
  • □ 「もう入れ歯しかないのか」と思っている

一つでも当てはまる方に、まずお伝えしたいことがあります。「できない」と言われた理由は一つではなく、体調やお薬の状況によって、条件が整えば実施できる場合もあります。この記事では理由を一つずつ整理し、入れ歯(テレスコープ義歯・金属床義歯)という選択肢もご紹介します。


インプラントの可否は、どのように判断されるのか

インプラントができるかどうかは、骨の量やお薬の種類・量、持病のコントロール状態など、複数の要素を総合して判断されます。一つの検査結果だけで、永久に「できない」と決まるわけではありません。以下は一般的な情報であり、実際の可否は主治医の先生と歯科医師の診察をあわせた判断によります。自己判断でのお薬の中断はお避けください。


「できない」と言われる理由と、いま確かめられること

骨が足りないと言われた場合

顎の骨の厚みや高さが十分でないと判断されると、インプラントの手術が難しいと言われることがあります。骨を増やす処置(骨造成)を行ったり、短い・細いインプラントを選んだりすることで、条件が整う場合があることが報告されています。ただし骨の状態によっては難度が上がり、対応できる医療機関が限られることもあります。

糖尿病がある場合

糖尿病があると、傷の治りや歯ぐきの炎症のリスクが上がるといわれ、慎重に検討すべきとされることがあります。血糖コントロールが良好であれば、インプラントの生存率は健常な方と大きく変わらないという報告もあります。一方で、血糖値が高いままだと歯ぐきの出血や骨の減りが増えるとされているため、まずは内科での血糖管理が前提になります。

関節リウマチ・膠原病などの持病がある場合

関節リウマチやシェーグレン症候群などの自己免疫疾患があると、歯ぐきの炎症や治りへの影響を心配して、慎重に判断されることがあります。生存率は一般の方と同等という報告も複数あり、できないと決まっているわけではありません。ただし関節リウマチでは支えの骨の減りがやや多いとの報告もあり、より丁寧な経過観察が必要になります。

骨粗しょう症のお薬を服用している場合

骨粗しょう症の治療でお薬(骨を強くするタイプの薬)を服用していると、あごの骨に重い合併症(顎骨壊死)が起こることを心配して、慎重に判断されることがあります。骨粗しょう症で使う低用量のお薬については、日本の顎骨壊死検討委員会によるポジションペーパー(2023年)で「インプラント埋入手術を行ってはならないとする根拠はない」とされています。一方、がんの骨転移治療で使う高用量のお薬の場合は、同ポジションペーパーで「行うべきでない」と明記されており、この場合は入れ歯が現実的な選択肢になります。お薬の種類や量はご自身で判断できないため、処方している医師にご確認ください。

血をサラサラにするお薬(抗血栓薬)を服用している場合

血をサラサラにするお薬を服用していると、出血のリスクを心配して手術を避けたいと言われることがあります。日本の学会が合同でまとめたガイドライン(2025年版)では、抗血栓薬を服用中の患者様の抜歯について、お薬を中断せずに行うことを強く推奨しています。インプラント手術についても、服用を継続したまま実施された報告が多くあります。休薬の要否は主治医の判断によるため、自己判断で中断しないでください。

すでにインプラントが入っている場合

すでにインプラントが入っている方が、追加のインプラント治療を望まれない、あるいは難しいと言われることもあります。この場合、既存のインプラントとご自分の歯を土台にして、入れ歯(テレスコープ義歯)で全体のかみ合わせを整える設計を選べることがあります。後ほどご紹介する当院の症例は、この考え方によるものです。


入れ歯という選択肢

インプラントの可否にかかわらず、入れ歯は「条件で選ぶ」ことができる治療の選択肢です。当院では、金属のバネを使わないテレスコープ義歯(コーヌス・リーゲル・レジリエンツの3種類)と、金属床義歯をご案内しています。

テレスコープ義歯は、残っている歯に金属の内冠をかぶせ、入れ歯側の外冠を重ねて固定する入れ歯です。仕組みと3種類の違い、費用内訳つきの症例はドイツ式入れ歯(部分入れ歯)のページにまとめています。残っている歯が1〜3本と少ない方に向いたレジリエンツテレスコープについてはこちらの記事もご覧ください。歯が1本も残っていない場合は総入れ歯が対象になります。詳しくはドイツ式入れ歯(総入れ歯)のページをご覧ください。

金属床義歯は、歯ぐきに触れる部分(床)を金属で作った部分入れ歯です。プラスチックの入れ歯より薄くでき、違和感が少ないという特徴があります。

保険診療の部分入れ歯(クラスプ義歯)や、金属のバネが目立ちにくいノンクラスプデンチャーという選択肢もあります。保険の入れ歯のバネの種類についてはこちらの記事、ノンクラスプデンチャーについてはこちらの記事で詳しくご説明しています。インプラントと入れ歯のどちらを選ぶかで迷っている方はインプラントと入れ歯、条件で選ぶ考え方もあわせてご覧ください。


症例のご紹介

当院で行った症例をご紹介します。上の前歯の根っこが折れ、前歯4本と左上小臼歯1本の抜歯が必要になった患者様です。奥歯にはすでにインプラントが入っており、再度インプラント治療を行うか、通常のバネ式の入れ歯にするかお悩みでした。ご相談のうえ、上顎は既存のインプラントとご自分の歯を土台にしたドイツ式入れ歯(コーヌステレスコープ)をご提案しました。取り外し式の入れ歯でインプラントと天然歯を併用する設計は、臨床研究で良好な生存率が報告されています。

治療前の歯列(正面から見た噛み合わせ) 治療後の歯列(正面から見た噛み合わせ) 上あごの模型に並んだ内冠(土台にかぶせる金属のかぶせ物)

  • ・治療内容:上顎 既存のインプラント4本とご自身の歯5本を利用したコーヌステレスコープ
  • ・治療期間:約2年(抜歯後の治癒期間を含む)
  • ・費用:4,400,000円(治療当時)
  • ・リスク:支えにしている歯やインプラントの周りが虫歯や歯周病にならないよう、定期健診が必要です

※治療当時の費用です。現在の費用は診察のうえでご案内します。※自由診療(保険適用外)です。


入れ歯を選ぶ前に知っておきたいこと

入れ歯にもメリットとデメリットがあります。テレスコープ義歯のデメリットや、「後悔した」となりやすいのはどういうときかを詳しくまとめた記事を、別にご用意しています。【ドイツ式入れ歯のデメリット】後悔しやすいケースと費用・修理もあわせてご覧ください。ここでは特に大切な点を挙げます。

  • ・支えにする歯の状態:内冠をかぶせる歯には、ある程度の歯根の長さや歯周組織の状態が必要です。残っている歯が少ない場合や、歯周病が進んでいる場合は、設計を工夫する必要があります
  • ・清掃と定期検診:取り外して手入れをする入れ歯のため、日々の清掃と定期的な通院が欠かせません。通院が途切れると、支えにしている歯のむし歯や歯周病に気づくのが遅れることがあります
  • ・慣れるまでの期間:装着直後は違和感や噛みにくさを感じることがありますが、多くは調整によって改善します

どんな方に向いているか

次のような方には、入れ歯(テレスコープ義歯・金属床義歯)が選択肢になります。

  • ・他院でインプラントは難しいと言われた方
  • ・持病やお薬の関係で、外科手術を避けたい、あるいは慎重に検討したい方
  • ・すでにインプラントが入っていて、追加の手術は望まない方
  • ・保険の入れ歯ではしっかり噛めず、食事を楽しめていない方
  • ・入れ歯のバネが見えることが気になる方

保険の入れ歯にも役割があります。保険の入れ歯で十分かどうかから考えたい方はこちらの記事、奥歯の入れ歯を種類ごとに写真で比べたい方はこちらの記事もご覧ください。適したものは、診察のうえでご案内します。


当院の進め方

当院では、治療方針を決める前に、まずご相談の機会を設けています。

  • ・無料メール相談:院長が直接メールでお答えします。診察・レントゲン撮影は行いません
  • ・来院相談(5,500円):パノラマレントゲンでお口全体を確認し、概算の治療計画(治療法・おおよその費用・期間)をご説明します

ご予約はホームページまたはお電話から承っています。


費用と治療期間の目安(すべて税込・自由診療)

正確な金額は、診察と検査のうえでお見積りをお出しします。最新の料金は料金ページでご確認いただけます。

項目 費用
無料メール相談 無料
来院相談(パノラマレントゲンでお口全体を確認) 5,500円
精密検査・治療計画・お見積り 33,000円
コーヌステレスコープ 1,810,000円〜4,120,000円
リーゲルテレスコープ 2,190,000円〜3,670,000円
レジリエンツテレスコープ(残っている歯が少ない場合) 1,650,000円〜2,970,000円
総入れ歯(上下) 2,750,000円
総入れ歯(片顎のみ) 1,430,000円
金属床義歯(部分入れ歯) 880,000円〜1,320,000円
ノンクラスプデンチャー(部分入れ歯) 自費の入れ歯です。費用は診察のうえでご案内します
  • ・上下両方のあごにドイツ式入れ歯(部分入れ歯)を作る場合は、合計金額から10%を割り引きます
  • ・むし歯・歯周病の治療や抜歯が必要な場合は、別途保険診療の費用がかかります
  • ・完成後の調整は3回まで費用に含まれます。4回目以降の調整と、噛み合わせが安定したあとの定期メインテナンスは別途費用がかかります
  • ・入れ歯の自由診療の費用は、医療費控除の対象になります(詳しくは国税庁の案内をご確認ください)

※2026年9月時点の費用です。改定する場合があります。

治療期間の目安

  • ・テレスコープ義歯・自費の総入れ歯…およそ6か月〜1年
  • ・金属床の部分入れ歯…およそ6か月〜10か月(抜歯した場合は、さらにかかります)

知っておいていただきたいリスク・副作用

  • ・支えにする歯を削ります…被せ物治療と同程度、歯の表面を削る処置が必要です
  • ・慣れるまで時間がかかります…違和感や話しにくさ、入れ歯の出し入れの練習が必要になることがあります
  • ・内冠が外れることがあります…接着が弱くなり、再接着や作り直しが必要になる場合があります
  • ・調整や作り直しが必要になることがあります…歯ぐきの下の骨は年月とともにやせていくため、裏打ちや調整が必要になります
  • ・清掃が不十分だと、支えにしている歯やインプラントの周りがむし歯や歯周病になることがあります
  • ・装着後も、定期的な検診が必要です
  • ・保険の入れ歯に比べて費用が高く、治療期間も長くなります
  • ・持病やお薬がある方…抜歯などの処置は内科の主治医と連携しながら進めます

よくあるご質問

Q. 持病がありますが、入れ歯は作れますか?

入れ歯そのものは外科手術を伴わないため、多くの場合は選択肢になります。ただし、抜歯や歯周病の処置が必要な場合は手術に準じた配慮がいりますので、内科の主治医と相談しながら進めます。

Q. 他院でインプラントを断られましたが、もう一度相談してもよいですか?

もちろんです。「できない」と言われた理由やお口の状態を確認させてください。入れ歯という選択肢も含めて、あらためてご説明します。

Q. すでにインプラントが入っていますが、入れ歯と組み合わせられますか?

はい。既存のインプラントとご自分の歯を土台にして、入れ歯(テレスコープ義歯)で全体のかみ合わせを整える設計を選べることがあります。詳しくは、先にご紹介した症例をご覧ください。

Q. 何年くらいもちますか?

個人差が大きく、年数を一概にお答えすることはできません。支えの歯の本数や状態、日々の手入れと定期検診によって変わってきます。

Q. 相談だけでもよいですか??

はい。その日に治療を決める必要はありません。院長が直接お答えする無料メール相談もご用意しています。


まとめ

  • 1.「インプラントができない」と言われる理由はさまざまで、条件が整えば可能になる場合もあります
  • 2.骨の量、糖尿病、関節リウマチなどの持病、骨粗しょう症のお薬、血をサラサラにするお薬——それぞれに、いま確かめられることがあります
  • 3.可否の最終判断は、主治医の先生の判断と、歯科医師の診察をあわせて行われます
  • 4.入れ歯(テレスコープ義歯・金属床義歯)は、優劣ではなく条件で選ぶ治療の選択肢です
  • 5.まずは現状を知ることから、お気軽にご相談ください

他院で「できない」と言われたことを理由に、治療そのものを諦める必要はありません。お口の状態を拝見し、考えられる選択肢と、それぞれの費用・期間・気をつけたい点をご説明します。

ご相談の流れ

  • 1.ホームページの予約フォーム、またはお電話でご予約ください
  • 2.他院での診断内容や、今お使いの入れ歯があれば、お持ちください
  • 3.レントゲンでお口全体を確認し、今の状態と考えられる選択肢をご説明します(来院相談 5,500円)
  • 4.それぞれの費用・期間・気をつけたい点をお伝えします。お持ち帰りいただき、ご家族とご相談のうえでお決めください

まずはメールでという方のために、院長が直接お答えする無料メール相談もご用意しています。診察やレントゲン撮影は行いません。


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※本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、特定の治療効果を保証するものではありません。インプラントの可否や治療の適応には個人差があり、持病・お薬に関する判断はご自身の主治医にご確認ください。実際の診断・治療方針は、必ず歯科医師の診察を受けたうえでお決めください。

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