【30代40代の入れ歯】現役歯科医師が解説します!

【30代40代の入れ歯】現役歯科医師が解説します!

30代、40代で歯医者さんで「入れ歯にしないといけない」と言われたらショックですよね。

しかし若い人の入れ歯の数は60万人いるとされています。(平成28年 歯科疾患実態調査 厚生労働省)

あなたの他にも入れ歯をしている人はいますのでそのことをどうか恥ずかしいと思わないで下さい。

入れ歯の治療に年齢は関係ありません。

悪くなってしまった歯をそのままにしていると

「どんどん噛めなくなる→食事が美味しくない→友人との外食が楽しくない→食べられるものが軟らかい物しかない→身体が不健康になる 」

というサイクルに陥ってしまいます。

最も大事なことはご自分に合った治療をすることです。

この記事では歯を失った場合の3つの治療法「入れ歯」「ブリッジ」「インプラント」の中の「入れ歯」について解説します。

不安やお悩みが少しでも解消できるよう参考にして下さい。

1章:「若いのに入れ歯」という方はいますか?

若い方でも交通事故や難治性の重度の歯周病、虫歯の放置などによって多くの歯を失って入れ歯にするケースがあります。

年齢に関係なく歯を失った治療法として入れ歯をする若い方も少なくありません。

入れ歯は歯を失ったときに噛む、飲み込むなど歯があった時とほぼ同様の機能と見た目を改善する道具で人工臓器なのです。

入れ歯を入れて職場の方や友人に若返ったと褒められて喜ぶ患者様は少なくありません。

決して恥ずかしいものではありませんので安心して治療を受けて下さい。

 

1-1:どのような場合に入れ歯を選択するのか

まず、歯を失った場合の治療方法は入れ歯、ブリッジ、インプラントがあります。

1、入れ歯

歯がない欠損部に歯茎部分となるピンク色の床(しょう)を張りその上に人工歯を並べたものです。

2、ブリッジ

 失った歯の両隣の歯を支えとして失った歯の部分に人工の歯を架ける治療です。

連続した被せ物をセメントで固定しますので取り外しの必要がありません。

3、インプラント

歯を失った顎の骨に人工の根を植えて土台を建て被せ物を入れる治療です。

これらの治療法の中でどのような場合に入れ歯を選択するのかというと

・ブリッジができない

  4本以上連続した歯がない

  奥歯2本連続した歯がない

  支えの歯が健康でない

  このような場合はブリッジができません。

・骨がない、全身疾患のためインプラントができない

・インプラントの手術が怖い

これらが主な理由です。

 

2章:若い人の入れ歯に対する不安とは?

2-1:入れ歯をしていることが周りに気づかれてしまうか不安

保険の部分入れ歯は金属のバネ(クラスプ)を健康な残っている歯に引っ掛けるのですがそのクラスプが笑った時に見える位置にあると目立ちます。

また総入れ歯の場合、会話中に外れてしまうと気づかれてしまいます。

口元やお顔にマッチした目立たない入れ歯もありますのでどのような入れ歯を選ぶかでこのような不安は解消できます。

 

2-2:入れ歯は不便なことが多いか不安

一番多い質問は「夜は洗って外して寝るんですか?」です。

やはり外して寝ることが気になるのでしょう。

入れ歯の中には寝る前までに綺麗に洗浄し装着して寝て頂ける入れ歯もあります。

入れ歯を外して洗うことに不安を感じている方がおりますが入れ歯にした多くの患者様は入れ歯を外して洗うことを歯を磨くのと同じように習慣化しています。

眼鏡やコンタクトレンズを初めて使用するときに慣れるまで時間を要するのと同様に入れ歯を初めて入れると会話や普通のお食事に慣れるまで期間が必要です。

しかし慣れてくると「入れていないと何も食べられない。」という状態になりますので安心してください。

 

3章:入れ歯のメリット、デメリット

どのような治療にもメリット、デメリットがあります。こちらを参考にして検討されると良いでしょう。

<メリット>

・インプラントのような大掛かりな外科処置がない

・取り外して洗えるので衛生的

・多くの場合修理ができる

・目立たない入れ歯もある

・将来、介護が必要になった場合介助者がお手入れしやすい

・将来、再治療になった場合大掛かりな外科処置がほとんどない

<デメリット>

・目立つ入れ歯がある

・残っている歯をダメにする入れ歯がある

・総入れ歯の場合、食べ物に工夫が必要(リンゴを一口サイズに切るなど)

・口臭の原因になる素材の入れ歯がある

4章:お勧めの入れ歯

当院でご提供している入れ歯はドイツ式入れ歯(テレスコープ義歯)といいます。

見た目が自然で周りの人に気づかれない。

夜は装着して寝て頂ける。

残っている歯を守りながら寿命を延ばすことができる。

他の入れ歯に比べて噛める。

修理しながら使える。

このような特徴があります。

当院でドイツ式入れ歯をご提供した患者さまからはネガティブな感想は聞こえてきません。

逆にみんなで写真を撮る時に思いっきり歯を見せた笑顔ができるようになったと喜んで頂きました。

30代40代で多くの本数のインプラントを入れた方が40年後も問題なく使用できていることは稀です。

再治療の時にインプラントができないケースが少なくありません。

ドイツ式入れ歯(テレスコープ義歯)は修理が可能で再治療も可能です。

入れ歯を選ぶ際には30年40年後を想像しできるだけ寿命の長い入れ歯を選択することをお勧めします。

まとめ

若い方が入れ歯に対して不安なことは

・周りに気づかれないか

・入れ歯で不便を感じないか

です。

目立たたなく良く噛める入れ歯を選択すること、入れ歯に慣れる期間はできるだけ長く装着し外して洗うことを習慣化することでこれらの不安は解消できると思います。

歯がないままでいることは食事が制限され生活の質や健康に悪影響を及ぼします。

入れ歯は決して恥ずかしいものではなく入れ歯を入れることにより自信が付き友人との食事や旅行など健康で楽しい日常生活を送ることができます。

 

 

 

 

 

 

 

筆者プロフィール

著者

イーストワン歯科本八幡
東 郁子

■経歴
  • 平成6年 鶴見大学歯学部 卒業
  • 平成7年 鶴見大学付属病院研修医 修了
  • 平成7年 都内の歯科医院 勤務
  • 平成30年 イーストワン歯科本八幡 開院
■所属学会/スタディグループ
  • ●IPSG包括歯科医療研究会
  • 第2回咬合認定医コース受講 咬合認定医 取得
  • 総義歯の基礎と臨床 受講
  • 顎関節症ライブ実習コース 受講
  • パーシャルデンチャーとテレスコープシステム 理論と実習コース 受講
  • 咬合治療の臨床 受講
  • ●日本臨床歯科医学会
  • レギュラーコース 受講
  • ●顎咬合学会