保険の入れ歯どうして噛めない?

保険の入れ歯どうして噛めない?

総入れ歯の不満

「保険の入れ歯を去年作ったけど噛めない」

「4年前に作った入れ歯の歯の形が気にいっているけど噛めない」

「今の入れ歯の上の前歯の出っ張り具合が気にいらない」

「今の入れ歯の不具合を解消するには保険の入れ歯を何度も作り直せばよいと先生にいわれたけど何度も通うのは疲れる」

などたくさんのお悩みを持つ患者さんがいらっしゃいます。なぜ皆さんがこのように多くの悩みを抱えているのか?

「保険の入れ歯は作る際に制約があるからです」

(でも料金はお安いです)

総入れ歯は歯科医師と歯科技工士の技量で良し悪しが決まります。歯科医師が型と噛み合わせを採り歯科技工士が歯を並べ入れ歯を作ります。

保険の入れ歯は

*既製のトレーで型取りします  →靴が既製であるのと同じです。患者様の顎の精密な型を採ることができません

*総入れ歯を作る際の材料は最低限のレベルです。

 例えば人工歯は単色で自然感がありません。プラスチックが占める割合が多い素材なのですり減りが速くそうなると

 特に葉物野菜が噛み切れないです。使えば使うほど噛めなくなります

*歯科技工士の技量は問わないです。

 例えば卒後1年目の歯科技工士でも作ります。あまり上手ではないのはお分かりですよね。

 

保険の治療=最良の治療  ではありません。

医科の場合は自由診療の認めれているものが少ないので皆さん保険治療が最良と感じていらっしゃると思います。

歯科の場合は自由診療が認められているので保険治療が最良の治療ではありません。

例えば視力の悪い方は眼科で眼鏡は作れません。目が見えづらいのに眼科で保険では作れません。なぜでしょうか。

おかしいですよね。車の免許取得の際に視力検査があるのに眼科で眼鏡が作れないなんて。

眼鏡をかけずに運転したら交通事故を起こしてしまいます。

入れ歯は歯科医院で保険適用のものと保険適用外(自由診療)ものと両方作ることが認められています。

「国としては最低限噛むことのできる入れ歯は保険で適用するけれど見た目や硬い物が噛める、薄くして違和感を少なくする

などの入れ歯は保険適用外ですよ。」としているのではないでしょうか。

保険適用の入れ歯を何度作っても合わない入れ歯が多いのはこのような理由からだと思います。

合わない入れ歯を使いつづけることによって顎の骨の吸収も早まりますし身体のバランスを崩しますので転びやすくなります。

本気で治したい方や今のお悩みから早く脱したい方は費用がかかっても良い総義歯を作るべきと思います。

 

 

筆者プロフィール

著者

イーストワン歯科本八幡
東 郁子

■経歴
  • 平成6年 鶴見大学歯学部 卒業
  • 平成7年 鶴見大学付属病院研修医 修了
  • 平成7年 都内の歯科医院 勤務
  • 平成30年 イーストワン歯科本八幡 開院
■所属学会/スタディグループ
  • ●IPSG包括歯科医療研究会
  • 第2回咬合認定医コース受講 咬合認定医 取得
  • 総義歯の基礎と臨床 受講
  • 顎関節症ライブ実習コース 受講
  • パーシャルデンチャーとテレスコープシステム 理論と実習コース 受講
  • 咬合治療の臨床 受講
  • ●日本臨床歯科医学会
  • レギュラーコース 受講
  • ●顎咬合学会