【歯を失うと顔はどう変わる?】奥歯がないときの頬のたるみ・ほうれい線と、入れ歯で戻せること

query_builder 2026/07/01

奥歯がないまま放置すると、頬のたるみや顔の歪みが進むことがあります。50代以降、総入れ歯にすると顔が変わるのではと不安な方へ、歯を失うとお顔が変化する仕組みと、入れ歯で整えられる範囲・限界を、市川市本八幡の歯科医師がわかりやすく解説します。

鏡を見て「老けた」と感じている方へ

「年齢のせいだから仕方ない」と思っていても、実はお口の中に原因があるケースは少なくありません。次のようなことに、心当たりはありませんか。

  • □ 頬がこけて、痩せたわけでもないのに疲れた顔に見える
  • □ 口元にしわが増え、ほうれい線が深くなった気がする
  • □ 唇のハリがなくなり、口角が下がってきた
  • □ 写真に写る自分が、以前より老けて見えるようになった
  • □ 奥歯がない、または抜けたまま放置している歯がある
  • □ 顔の左右差が、以前より気になるようになった

「奥歯がない 顔のたるみ」「奥歯がない 顔の歪み」で調べてこの記事にたどり着いた方も多いと思います。この記事では、歯を失うとなぜ顔の印象が変わるのか、その仕組みと、入れ歯で整えられる範囲・限界について、順を追ってお伝えします。


歯を失うと顔が変わる3つの仕組み

「歯がないと老け顔になる」というのは、単なる印象論ではありません。お口の中で起きている3つの変化が、顔の見た目に影響しています。

1. 頬や唇を内側から支える力がなくなる

歯と歯ぐきは、内側から頬や唇を支える役割も担っています。歯を失うと、その支えがなくなり、頬が内側に沈み込みやすくなります。頬がこけて見えたり、口元のハリが失われたりするのは、このためです。奥歯は正面から見えないため放置されがちですが、奥歯にも同じように頬を支える役割があります。

2. あごの骨が少しずつ痩せていく

歯が抜けたままの状態が続くと、歯の根から伝わっていた噛む刺激がなくなり、あごの骨(歯槽骨)が少しずつ吸収されて痩せていきます。系統的レビューによると、抜歯後6か月の時点で、骨の幅は平均およそ3.8mm(29〜63%)、高さは平均1〜1.2mm程度(11〜22%)減少するというデータがあります。特に幅の減少が大きいのが特徴で、減少は最初の3〜6か月で急速に進み、その後は緩やかになるとされています。骨が痩せると、その上にある歯ぐきも下がり、お顔の輪郭を支えていた「土台」が失われていきます。

3. 噛み合わせの高さが下がる

歯を失ったり、長く使っている入れ歯がすり減ったりすると、噛み合わせの高さ(咬合高径)が下がることがあります。噛み合わせの高さが下がると、お顔の下半分(下顔面)の高さが短くなることが、実際にお顔を計測した研究で報告されています。その結果として、唇を支える力が弱くなり、口元がしぼんで見えたり、ほうれい線のような印象の変化につながると考えられています。


「入れ歯にすると老けて見える」は誤解です

「入れ歯を入れるとかえって老けて見えそうで踏み切れない」というお声を伺うことがあります。ですが、実際には逆です。老けて見えるのは、入れ歯を入れるからではなく、合わない入れ歯を使い続けているか、歯がないまま放置している状態が続いているからです。

入れ歯を外したお顔を想像してみてください。口元がしぼみ、しわが寄り、印象が大きく変わります。入れ歯は、その「失われた支え」を補うための道具です。噛み合わせの高さと口元の形をていねいに設計することで、しぼんだ印象を整えていくことができます。

保険診療の入れ歯にも、まずは噛める状態を取り戻すという大切な役割があります。そのうえで、噛み合わせの高さや見た目をより丁寧に整えたい場合には、自費診療の入れ歯という選択肢もあります。当院では、金属のバネを使わないドイツ式テレスコープ義歯もご用意しています。テレスコープ義歯にはメリットだけでなく知っておきたい点もあり、こちらの記事で詳しくまとめています。どの入れ歯が合うかは、残っている歯の本数やお口の状態によって変わりますので、まずはご相談ください。


入れ歯で戻せること・戻せないこと

入れ歯を入れれば、すべてが元通りになるわけではありません。戻せることと戻せないことを、正しく知っておくことが大切です。

戻せること

入れ歯を入れることで、失われた頬や唇の支え、噛み合わせの高さを補うことができます。3Dで顔の形を計測した研究では、総義歯を装着することで、唇の位置や口元の厚みなど、歯を失って変化した部分の一部が回復することが確認されています。ただし、自然な歯があった頃とまったく同じ状態に戻るわけではないとも報告されています。「失われた支えを補う」ことで、お顔の印象が変わることがある、という範囲でとらえていただくのが正確です。

戻せないこと

一度やせてしまったあごの骨そのものは、入れ歯を入れても元の厚みには戻りません。また、加齢による肌のハリの変化など、皮膚そのものの変化は入れ歯の範囲ではカバーできません。さらに、入れ歯を使い始めたあとも、あごの骨は少しずつ痩せ続けることが、長期間にわたって追跡した研究で示されています。そのため、入れ歯を入れて終わりではなく、骨や歯ぐきの状態に合わせた定期的な調整が必要になります。


奥歯だけがない場合も起きること

「奥歯は人に見られないから」と、そのままにしていませんか。奥歯を失った多くの方が、「奥歯があった頃に比べて頬がたるんできた」「ほうれい線がくっきりしてきた」とおっしゃいます。噛むことができないというお悩みの次に、皆様が口にされるお言葉です。

奥歯がないと頬がこけて見えたり、奥歯を失うことで噛み合わせの高さが低くなり、ほうれい線が目立ちやすくなったりすることがあります。前歯と違って人目にはつきにくいため後回しにされやすいのですが、頬を支える役割や噛み合わせの高さを保つ役割は、奥歯もほかの歯と同じように担っています。片側の奥歯から連続して2本ない場合の入れ歯については、こちらの記事で詳しくご紹介しています。奥歯の入れ歯の種類についてはこちらの記事もあわせてご覧ください。奥歯は見た目に出ないからと油断せず、早めにご相談いただくことをお勧めしています。


症例のご紹介

当院で行った症例をご紹介します。80代女性の例です。

入れ歯治療の前後を比較した口元の写真(上:治療前は歯の色や並びが不揃いな様子、下:治療後は上下の総入れ歯を装着し歯並びが整った様子)

  • ・治療内容:上下の総入れ歯
  • ・治療期間:約1年(抜歯後の治癒期間を含む)
  • ・費用:2,220,000円(2022年当時)
  • ・リスク:入れ歯は慣れるまで時間を要し、発音にも慣れが必要です/あごの骨の吸収に伴い、経年的に緩くなることがあります/粘膜の状態に応じた定期的な調整が必要です/食べ方を工夫する必要があります/噛む感覚は自分の歯とは異なります

※治療当時の費用です。現在の費用は診察のうえでご案内します。※自由診療(保険適用外)です。

この症例の詳しい経緯は症例紹介のページでご紹介しています。何年も歯科に通えないまま過ごしてきた方に向けては、こちらの記事もご用意しています。


今からできること

お顔の変化を最小限に抑えるために、今から意識していただきたいことをまとめました。

  • ・噛める状態を保つ…歯を失ったままにせず、噛む力をなるべく維持することが、頬や唇の支え、あごの骨への刺激を保つことにつながります。噛める場所が減って柔らかいものばかり食べている方はこちらの記事もご覧ください
  • ・合わなくなった入れ歯を放置しない…入れ歯を使っていても、あごの骨は少しずつ痩せていきます。入れ歯が緩くなった、噛みにくくなったと感じたら、早めに調整をご相談ください
  • ・定期的に診てもらう…骨や歯ぐきの状態は少しずつ変化します。入れ歯を入れたあとも定期的な検診を受けることで、状態の変化に早く気づくことができます

当院の進め方

当院では、今の入れ歯のお悩みや、口元の見た目のご不安、これからの治療への疑問など、どんなことでもお気軽にお話しいただける相談の場をご用意しています。院長が約1時間かけてお話を伺い、模型や写真を使って、ご自分の状態に合った治療の進め方をわかりやすくご説明いたします。

まずは、院長が直接メールでお答えする無料メール相談からお気軽にお始めいただけます。診察やレントゲン撮影は行いません。実際にお口の中を拝見してご相談いただく場合は、パノラマレントゲンでお口全体を確認する来院相談(5,500円)をご用意しています。


費用と治療期間の目安(すべて税込・自由診療)

正確な金額は、診察と検査のうえでお見積りをお出しします。最新の料金は料金ページでご確認いただけます。

項目 費用
無料メール相談無料
来院相談(パノラマレントゲンでお口全体を確認)5,500円
精密検査・治療計画・お見積り33,000円
総入れ歯(上下)2,750,000円
総入れ歯(片顎のみ)1,430,000円
コーヌステレスコープ1,810,000円〜4,120,000円
リーゲルテレスコープ2,190,000円〜3,670,000円
レジリエンツテレスコープ(残っている歯が少ない場合)1,650,000円〜2,970,000円
金属床義歯(部分入れ歯)880,000円〜1,320,000円

総入れ歯についての詳細はドイツ式入れ歯(総入れ歯)のページ、部分入れ歯(テレスコープ義歯)についての詳細はドイツ式入れ歯(部分入れ歯)のページをご覧ください。総入れ歯の種類についてはこちらの記事でもご紹介しています。

  • ・むし歯・歯周病の治療や抜歯が必要な場合は、別途保険診療の費用がかかります
  • ・完成後の調整は3回まで費用に含まれます。4回目以降の調整と、噛み合わせが安定したあとの定期メインテナンスは別途費用がかかります
  • ・入れ歯の自費診療の費用は、医療費控除の対象になります(詳しくは国税庁の案内をご確認ください)

※2026年9月時点の費用です。改定する場合があります。

治療期間の目安

  • ・テレスコープ義歯・自費の総入れ歯…およそ6か月〜1年
  • ・金属床の部分入れ歯…およそ6か月〜10か月(抜歯した場合は、さらにかかります)

知っておいていただきたいリスク・副作用

  • ・慣れるまで時間がかかります…違和感や話しにくさを感じることがあります
  • ・調整や作り直しが必要になることがあります…あごの骨は年月とともにやせていくため、裏打ちや調整が必要になります
  • ・支えにする歯がある場合は、その歯を削る処置が必要になることがあります
  • ・清掃が不十分だと、支えにしている歯がむし歯や歯周病になることがあります
  • ・保険診療に比べて費用が高く、治療期間も長くなります
  • ・持病やお薬がある方…抜歯などの処置は内科の主治医と連携しながら進めます
  • ・装着後も、定期的な検診が必要です

よくあるご質問

Q. 奥歯が1本ないだけでも、顔は老けて見えるようになりますか

1本だけの場合、すぐに見た目が大きく変わることは少ないですが、放置する期間が長くなるほど、噛み合わせのバランスや頬の支えに影響が出やすくなります。両隣の歯が傾いてきたり、噛み合う相手の歯が伸びてきたりすることで、徐々にお顔の印象が変わってしまうこともあります。1本だからと様子を見ず、早めにご相談いただくのが安心です。

Q. 長年使っている入れ歯で、最近ほうれい線が深くなってきました。入れ歯のせいでしょうか

その可能性はあります。入れ歯は長く使うほどすり減り、噛み合わせの高さが少しずつ低くなっていくことがあります。すると口元がしぼんで見えたり、ほうれい線が深く見えたりしやすくなります。合わなくなった入れ歯を使い続けるよりも、噛み合わせの高さから見直すことで、口元の印象が変わることがあります。お口の状態によって異なりますので、一度確認することをお勧めします。

Q. 60代・70代からでも、口元を整える治療は間に合いますか

はい、十分に間に合います。当院には60代・70代でご相談に来られ、噛むことや笑うことを取り戻された方がたくさんいらっしゃいます。年齢よりも、今のお口の状態と、これからどう過ごしたいかが大切です。「もう手遅れかも」と感じていらっしゃる方こそ、一度ご相談ください。

Q. 治療にはどのくらい期間がかかりますか

お口の状態や治療内容によって異なりますが、自費の総入れ歯やテレスコープ義歯の場合は、丁寧に設計・製作するため6か月から1年ほどかかることが一般的です。急いで作って合わないものをお渡しするよりも、長く快適に使っていただける入れ歯をお作りすることを大切にしています。治療期間の目安は、相談の際にご説明いたします。

Q. インプラントも検討したほうがよいですか

インプラントも選択肢のひとつです。骨の量や全身の状態などによって適応が異なりますので、診察のうえで判断します。他院でインプラントができないと言われた方についてはこちらの記事で詳しくご紹介していますので、あわせてご覧ください。


まとめ

  • 1.歯を失うと、頬や唇を支える力がなくなる、あごの骨が痩せる、噛み合わせの高さが下がるという3つの仕組みで、お顔の印象が変わることがあります
  • 2.老けて見えるのは入れ歯を入れるからではなく、合わない入れ歯や歯がないままの放置が原因です
  • 3.入れ歯で戻せるのは失われた支えや噛み合わせの高さで、やせた骨そのものや皮膚の加齢変化は戻せません
  • 4.奥歯だけがない場合も、頬の支えや噛み合わせの高さに影響することがあります
  • 5.入れ歯を入れたあとも、あごの骨は少しずつ痩せ続けるため、定期的な調整が必要です
  • 6.60代・70代からのご相談でも十分に間に合います

ご相談の流れ

  • ・無料メール相談:院長が直接メールでお答えします。診察・レントゲン撮影は行いません
  • ・来院相談(5,500円):パノラマレントゲンでお口全体を確認し、概算の治療計画(治療法・おおよその費用・期間)をご説明します

ご予約はホームページまたはお電話から承っています。


参考文献

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  • ・Pucciarelli MGR, Hideki de Lima Toyoshima G, de Oliveira TM, et al. Quantifying the facial proportions in edentulous individuals before and after rehabilitation with complete dentures compared with dentate individuals: A 3D stereophotogrammetry study. J Prosthet Dent. 2024;131(4):697-704.
  • ・Skomina Z, Kuhar M, Verdenik M, Ihan Hren N. Stereophotometric facial changes in edentulous older adults after rehabilitation with complete dentures. Gerodontology. 2025;42(1):100-109.
  • ・Discacciati JA, Lemos de Souza E, Vasconcellos WA, Costa SC, Barros Vde M. Increased vertical dimension of occlusion: signs, symptoms, diagnosis, treatment and options. J Contemp Dent Pract. 2013;14(1):123-8.
  • ・Tallgren A. The continuing reduction of the residual alveolar ridges in complete denture wearers: a mixed-longitudinal study covering 25 years. J Prosthet Dent. 1972;27(2):120-32.

※本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、特定の治療効果を保証するものではありません。治療の適応や結果には個人差があります。実際の診断・治療方針は、歯科医師の診察を受けたうえでお決めください。持病やお薬に関する判断はご自身の主治医にご確認ください。

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イーストワン歯科本八幡

住所:千葉県市川市八幡3-19-1

京成八幡WESTCOURT 2F

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