【50代で入れ歯の人はいますか?】国の調査でみる年代別の入れ歯と、30代・40代・50代で後悔しない選び方を歯科医師が解説

query_builder 2024/01/05

50代で入れ歯を使っている方は、決して少なくありません。国の調査でみる年代別の入れ歯の状況と、30代・40代・50代で入れ歯を選ぶときに後悔しないための考え方、費用とリスクを市川市本八幡の歯科医師が解説します。

「この年齢で入れ歯なんて」と、ひとりで悩んでいませんか

  • □ 入れ歯はお年寄りがするもの、というイメージがある
  • □ 歯医者さんで「入れ歯にしましょう」と言われて、ショックだった
  • □ 友人や職場の人に知られるのが恥ずかしい
  • □ 決心がつかず、歯がないまま過ごしている
  • □ 同じ年代で入れ歯の人がいるのか、インターネットで調べてしまった

子育てや介護、仕事に追われて、ご自分の歯を後回しにしてきた。気がつけば、何本かの歯を失っていた——。30代・40代・50代でご相談にみえる方にも、同じような経過をたどってこられた方がたくさんいらっしゃいます。

入れ歯は、失った体の働きを補う道具で、恥ずかしいものではありません。この記事では、同じ年代で入れ歯を使っている方がどのくらいいるのかと、この先何十年も使うことを前提にした入れ歯の選び方をご説明します。


50代で入れ歯の人は、どのくらいいるのか

厚生労働省の「令和4年 歯科疾患実態調査」では、部分入れ歯を使っている人の割合は、50〜54歳で5.2%、55〜59歳で8.8%でした。50代後半では、おおよそ11人に1人が部分入れ歯を使っている計算です。ブリッジや入れ歯など、失った歯を補うものを何か使っている人は、50代前半で約3割、50代後半で約4割にのぼります。

年齢 部分入れ歯を使っている人 ブリッジ・入れ歯などを何か使っている人
35〜39歳 1.2% 6.0%
40〜44歳 0.9% 11.2%
45〜49歳 0.7% 14.5%
50〜54歳 5.2% 31.0%
55〜59歳 8.8% 40.1%
60〜64歳 15.3% 51.4%

※調査で歯科医師の診査を受けた方の中での割合です。各年代の人数は80〜180人ほどで、全国の人数を表すものではありません。

30代・40代で部分入れ歯を使っている人は1%前後と少ないものの、いないわけではありません。そして50代に入ると、歯を補うものを使う人がはっきり増えていきます。50代で入れ歯になることは、決して珍しいことではないのです。

30代・40代・50代で歯を失う主な原因は、歯周病とむし歯です。痛みが少ないまま進む歯周病や、治療をくりかえした歯の根が割れることで、ある時期に何本かまとめて歯を失うこともあります。事故やけがで歯を失う方もいます。年齢に関係なく、入れ歯が必要になることはあります。


若いうちの入れ歯選びで、いちばん大切なこと

50代で入れ歯を作るということは、この先30年、40年と入れ歯と付き合っていくということです。30代・40代なら、その期間はさらに長くなります。

そのあいだに、残っている歯を失うこともあります。合わない入れ歯を作り直すたびに、また一から慣れ直し、費用や時間もかかります。だからこそ、次の2つを最初から考えて選ぶことをおすすめします。

1.残っている歯を、これ以上失わない設計か

部分入れ歯は、残っている歯に支えを求めます。部分入れ歯のバネをかけた歯は、ほかの歯に比べて失われやすいという調査があり、その要因として、根が短い歯、神経を取った歯、歯周病の歯、奥歯の噛み合わせが少ないことなどが挙げられています。支えにする歯の状態を事前に診て、弱い歯に無理な力をかけない設計が、残っている歯を長く守ることにつながります(バネの種類と支えの歯については【部分入れ歯のバネ(クラスプ)の種類】)。

2.歯を失ったときに、修理しながら使い続けられるか

支えの歯を1本失ったとき、今の入れ歯に歯を足して使い続けられるのか、一から作り直すのかで、その後の負担は大きく変わります。長く使うことを考えるなら、修理できる設計かどうかも確かめておきたい点です。

なお、どの治療を第一に考えるかは、条件によって変わります。ほかの歯がすべて健康な方にはインプラントが有力な選択肢になりますし、ほかの歯にも不安がある方には、修理しながら使える入れ歯が有利になることがあります。入れ歯・ブリッジ・インプラントの比べ方は、【奥歯の入れ歯|写真で見る種類と選び方】でご説明しています。


入れ歯選びで確かめたい6つのポイント

1.周りに気づかれにくいか

人が入れ歯に気づくのは、多くの場合、笑ったときに口の端から金属のバネが見えるときです。バネの位置や形、バネを使わない仕組みによって、目立ちにくくできる場合があります(前歯の場合は【前歯の入れ歯|写真で見る4つの種類と選び方】)。

2.痛みが、調整でおさまるか

入れ歯を入れたばかりのころに当たって痛むことは、どの入れ歯でもあります。多くは数回の調整でおさまりますが、入れ歯の内側と歯ぐきの間にすき間がある場合は、調整だけでは良くならないことがあります。

3.違和感が少ないか

上の入れ歯で上あごを厚く広く覆うと、違和感や話しにくさが出やすくなります。覆う部分をできるだけ薄く、小さくできる設計のほうが、慣れやすくなります。

4.やわらかい物しか食べられない入れ歯になっていないか

入れたばかりのころは、やわらかい物から慣らしていきます。けれども、慣れたあとも麺類やパン、豆腐など、やわらかい物しか食べられない状態が続くなら、入れ歯が合っていない可能性があります(【入れ歯が合わず柔らかい物しか食べられない方へ】)。

5.しっかり固定されているか

残っている歯にしっかり固定された入れ歯は、話したり噛んだりしても外れにくく、噛む力も入りやすくなります。噛んだときに入れ歯が沈み込まないよう、支えの仕組みがあるかどうかも大切です。

6.長く使えて、修理できるか

先ほどご説明したとおり、30代・40代・50代で作る入れ歯は、長く使うことが前提です。残っている歯を守る設計か、歯を失ったときに修理できるかを確かめてください。


相談先で、確かめておきたいこと

長く使う入れ歯を作るには、作り始める前の準備が大切です。相談するときは、次のような点を確かめてみてください。

  • □ お悩みや希望を聞く時間をとり、入れ歯の写真や見本で説明してもらえるか
  • □ レントゲンや歯周病の検査に加えて、型を採った模型で噛み合わせを調べてから設計するか
  • □ 治療の流れ、完成までの仮の入れ歯、費用の見積りを、始める前に説明してもらえるか
  • □ 残せる歯や神経を、できるだけ残す方針か
  • □ 完成したあとも、定期的な点検と調整を受けられるか

歯を失った原因が、失った場所ではなく、ほかの歯や噛み合わせにあることも少なくありません。歯のない場所だけを見て作ると、長持ちする入れ歯にはなりにくいのです。完成後の点検がなぜ大切かは【入れ歯は入れて終わりではない】でご説明しています。


当院の部分入れ歯:ドイツ式入れ歯

当院では、部分入れ歯の治療にドイツ式入れ歯(テレスコープ義歯)を行っています。支えにする歯に金属の冠(内冠)をかぶせ、入れ歯の側にはそれにぴったりはまる冠(外冠)を組み込んだ入れ歯です。

  • ・金属のバネを使わないため、口を開けても金属が見えにくい
  • ・支えの歯を冠で包み込んで支えるため、歯を横に揺さぶる力がかかりにくい
  • ・支えの歯を失った場合でも、多くは修理して使い続けられる
  • ・一方で、支えの歯を削る必要があり、費用が高く、治療期間も長くかかる

歯を抜く必要がある場合も、抜いたその日に仮の入れ歯をお入れするので、歯がないまま過ごす期間はつくりません(【歯を抜いた日に入れ歯は入ります】)。

症例:上の奥歯を失った方のドイツ式入れ歯

治療前。上あごの左の奥歯3本と、右の奥歯1本がない

治療前の写真です。上あごの左の奥歯3本、右の奥歯1本がありません。

治療中に使った仮の入れ歯。残っている歯に金属のバネをかけている

治療中に一時的に使っていただいた仮の入れ歯です。金属のバネを歯にかける形です。

治療後。ドイツ式入れ歯を装着した上あご。金属のバネは使っていない 治療後の正面。笑ったときに見える位置に金属のバネがない
  • ・治療内容:上あごのドイツ式部分入れ歯(テレスコープ義歯)。左の奥歯3本・右の奥歯1本欠損
  • ・治療期間:約6か月
  • ・費用:2,541,000円(税込)
  • ※記載の費用は治療当時の費用です。現在の費用と異なる場合があります。
  • ・リスク・副作用:支えの歯を削るため、しばらくしみることがあります。入れ歯の着け外しの練習が必要です。慣れるまで時間がかかります。お手入れを怠るとむし歯や歯周病になるため、定期的な検診とクリーニングが必要です。噛む感覚はご自身の歯とは異なります

種類と症例はドイツ式入れ歯(部分入れ歯)のページでもご覧いただけます。


自由診療の費用の目安(すべて税込)

保険の部分入れ歯は保険診療です。以下は自費をご検討になる場合の目安です。正確な金額は、診察と検査のうえでお見積りをお出しします。

項目 費用
無料メール相談 無料
来院相談(レントゲンでお口全体を確認) 5,500円
精密検査・治療計画・お見積り 33,000円
コーヌステレスコープ 1,810,000円〜4,120,000円
リーゲルテレスコープ 2,190,000円〜3,670,000円
レジリエンツテレスコープ(残っている歯が少ない場合) 1,650,000円〜2,970,000円
金属床の部分入れ歯 880,000円〜1,320,000円
  • ・上下両方のあごにドイツ式入れ歯を作る場合は、合計金額から10%を割り引きます
  • ・むし歯・歯周病の治療や抜歯が必要な場合は、別途保険診療の費用がかかります
  • ・完成後の調整は3回まで費用に含まれます。4回目以降の調整と、噛み合わせが安定したあとの定期メインテナンスは別途費用がかかります
  • ・お支払いは一括のほか、3回に分けてお支払いいただくこともできます
  • ・自由診療の費用は、医療費控除の対象になります

※2026年9月時点の費用です。改定する場合があります。

治療期間の目安

  • ・ドイツ式入れ歯 … およそ6か月〜1年(むし歯・歯周病の治療、抜歯後の治りを待つ期間を含む場合はさらにかかります)
  • ・金属床の部分入れ歯 … およそ6か月〜10か月(抜歯した場合はさらにかかります)

知っておいていただきたいリスク

  • ・慣れるまで時間がかかります…装着当初は、違和感や話しにくさ、歯ぐきの痛みが出ることがあります。慣れるまでの期間には個人差があります
  • ・ご自身の歯と同じようには噛めません…噛む感覚や力の加減は、ご自身の歯とは異なります
  • ・支えの歯に負担がかかります…歯の状態や設計によっては、支えの歯がぐらついたり、むし歯や歯周病になったり、根が割れたりすることがあります
  • ・ドイツ式入れ歯は支えの歯を削ります…削ったあと、しばらくしみることがあります
  • ・お手入れと定期的な検診が必要です…入れ歯と支えの歯の清掃を怠ると、むし歯や歯周病、口臭の原因になります
  • ・破損することがあります…落としたり強い力が加わったりすると、割れたり変形したりすることがあります
  • ・お口の状態によっては適さない方法があります…診査のうえで判断します
  • ・自由診療全般…保険が使えず、費用は全額ご負担になります。ごく一部の金属で金属アレルギーが生じることがあります

よくあるご質問

Q. 30代・40代で入れ歯になるのは、恥ずかしいことですか

恥ずかしいことではありません。歯周病やむし歯、事故などで、若い年代で歯を失う方もいます。歯がないまま過ごすより、合った方法で補って、食事や会話を楽しめる状態を取り戻すほうが大切です。

Q. 入れ歯だと、周りの人に気づかれますか

入れ歯の種類と設計によって変わります。金属のバネが笑ったときに見える位置にあると、気づかれやすくなります。バネの位置や形の工夫、バネを使わない仕組みで、目立ちにくくできる場合があります。

Q. 夜は、入れ歯をはずして寝ないといけませんか

部分入れ歯は、寝るときにはずしていただくのが基本です。ドイツ式入れ歯は、設計やお口の状態によって、つけたままお休みいただける場合があります。どちらの場合も、毎日の清掃は欠かせません。

Q. 入れ歯とインプラント、どちらがよいですか

条件によって変わります。ほかの歯が健康で、骨の量や全身の状態に問題がなければ、インプラントが有力な選択肢になります。ほかの歯にも不安がある方や、インプラントが難しいと言われた方には、修理しながら使える入れ歯が合う場合があります。インプラントの費用は、診察と検査のうえでご案内します。

Q. 相談だけでも大丈夫ですか

はい。その日に治療を決める必要はありません。院長が直接お答えする無料メール相談もご用意しています。


まとめ

  • 1.50代で入れ歯を使っている方は少なくなく、30代・40代でも入れ歯が必要になることはあります
  • 2.若いうちに作る入れ歯は、この先何十年も使うことが前提です
  • 3.残っている歯を守る設計か、歯を失ったときに修理できるかを確かめてください
  • 4.作り始める前に、噛み合わせの検査、治療の流れ、費用の見積り、完成後の点検について説明を受けましょう

「この年齢で入れ歯なんて」とひとりで悩む前に、ご相談ください。残っている歯の状態を拝見し、考えられる方法と、それぞれの費用・期間・困る点をご説明します。

ご相談の流れ

  • 1.ホームページの予約フォーム、またはお電話でご予約ください
  • 2.今お使いの入れ歯があれば、お持ちください
  • 3.レントゲンでお口全体を確認し、今のお困りごとの原因と、考えられる方法をご説明します(来院相談 5,500円)
  • 4.考えられる治療それぞれの費用・期間・困る点をお伝えします。お持ち帰りいただき、ご家族とご相談のうえでお決めください

まずはメールでという方のために、院長が直接お答えする無料メール相談もご用意しています。


参考文献

  • ・厚生労働省.令和4年歯科疾患実態調査結果の概要.表14 補綴物の装着の有無と各補綴物の装着者の割合(15歳以上).
  • ・Tada S, Ikebe K, Matsuda K, Maeda Y. Multifactorial risk assessment for survival of abutments of removable partial dentures based on practice-based longitudinal study. J Dent. 2013;41(12):1175-1180.

※本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、特定の治療効果を保証するものではありません。治療の適応や結果には個人差があります。実際の診断・治療方針は、必ず歯科医師の診察を受けたうえでお決めください。

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イーストワン歯科本八幡

住所:千葉県市川市八幡3-19-1

京成八幡WESTCOURT 2F

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