上顎の前の方にざらざらした部分ありますか?

上顎の前の方にざらざらした部分ありますか?

1,上顎の前のざらざらした部分は何ですか?

上顎の前の方にあるざらざらした部分は口蓋皺壁(こうがいすうへき)と呼ばれるものです。

 

1-1口蓋皺壁(こうがいすうへき)は何のためにあるのでしょうか?

*食べ物を舌の先に置いて口蓋すう癖に押し付けて歯の噛む面に送る。
*さ行、た行、ら行の発音。
*舌の上の食べ物を喉へ送る。
*液体が口蓋すう癖にぶつかり霧状に舌の上全体に広がり味を味わうことができる。

ただ飾りで存在しているのではなくちゃんとした働きがあります。

1-2総入れ歯に口蓋皺壁(こうがいすうへき)を付与する理由

総入れ歯は「総義歯」と呼びます。この「義歯」は「義足」「義手」と同じでできる限り元の状態に戻してできる限り元の機能をさせることが目的です。

総入れ歯の口蓋皺壁も歯があった頃の1-1で述べた働きをできる限りさせるためにあります。

保険の義歯に口蓋皺壁がついているのを私は見たことはありません。

 

2、当院の総入れ歯作り

  大まかな総入れ歯作りをご説明いたします。

  • 型どりとかみ合わせ
  • 仮合わせ
  • 完成

・型どりとかみ合わせ患者様のお口の大きさに合った型どりのトレーを作ります。そのトレーでかみ合わせを取ります。そして寸法変化の少ない型どり材(シリコン印象材と呼びます。)で上下の型をとります。この際、噛んで型を採ります。一般的には口を開けた状態で型どりします。なぜ噛んで型どりするかといいますと上下の入れ歯で噛むことが目的ですから噛んだ状態の歯茎や筋肉の状態の情報を型どりに反映させたいからです。

・仮合わせ:ここでは仮に歯を並べて口元やお顔全体との調和、かみ合わせをチェックします。 

・完成:完成時に口蓋皺壁を付与した入れ歯を装着します。  

  3,まとめ

当院では噛むことによるお口の機能、お顔との調和した歯並びを再現するために口蓋皺壁の付与や型どりの材料やかみ合わせを取る方法など様々な拘りを持って治療に取り組んでいます。

患者様には見えない部分が多くありますので歯医者さん選びの際にはこちらを参考にして下さい。

  詳しくは下記のリンクより当院の入れ歯治療についてご覧ください。

筆者プロフィール

著者

イーストワン歯科本八幡
東 郁子

■経歴
  • 平成6年 鶴見大学歯学部 卒業
  • 平成7年 鶴見大学付属病院研修医 修了
  • 平成7年 都内の歯科医院 勤務
  • 平成30年 イーストワン歯科本八幡 開院
■所属学会/スタディグループ
  • ●IPSG包括歯科医療研究会
  • 第2回咬合認定医コース受講 咬合認定医 取得
  • 総義歯の基礎と臨床 受講
  • 顎関節症ライブ実習コース 受講
  • パーシャルデンチャーとテレスコープシステム 理論と実習コース 受講
  • 咬合治療の臨床 受講
  • ●日本臨床歯科医学会
  • レギュラーコース 受講
  • ●顎咬合学会