奥歯がなくなると歯科医院でその治療方法として

「入れ歯」と「インプラント」の治療の説明を受けると思います。

しかしあなたにとってどちらの治療が良いのかわからないのではないのでしょうか？

そのために今回は

インプラントと入れ歯に迷った時に

どのようなことを踏まえて決めたらよいかを説明いたします。

みんながみんな、インプラントが良いとは限りません。

逆にみんながみんな、入れ歯が良いとも限りません。

お口の中の状態やご年齢、持病、考え方、価値観などその人その人に合った治療法があります。

まず始めに、入れ歯とインプラントの大きな違いは

入れ歯は

「歯のない部分を他の歯や歯茎に負担してもらって人工の歯を補う」治療

インプラントは

「他の歯に頼らず、歯のない部分の骨に人工の根を埋めて人工の歯で補う」治療

です。

これだけみると一見、インプラントが良さそうですね。

しかし治療にはメリット、デメリットがあります。

したがってこれらのメリット、デメリットを照らし合わせて、あなたに合った治療方法を決めることが良いと思います。

＜インプラント治療のメリット＞

・天然歯（ご自分の歯）に近いかみ心地

顎にしっかり固定されるために天然歯に近い力で嚙むことができます。

・周囲の歯に負担をかけない

ブリッジのように隣の歯を削る必要がありません。

・骨の吸収を抑えられる

歯を失うと顎の骨が痩せやすくなりますが、インプラントは骨の吸収を抑える効果が期待できます。

・見た目が自然

・長期間の使用が可能

適切な治療とメインテナンスで10年以上使うこともできます。

ただし保証はできません。

＜インプラント治療のデメリット＞

・外科手術が必要

顎の骨にチタン製のインプラント体（人工の歯の根）を埋め込む手術が必要で身体への負担や術後の腫れ、痛みが伴うことがあります。

・インプラント選択後に他の歯が抜歯になった場合、選択肢がインプラントに限られてしまうことがあります。

・骨が不足している場合や重度の糖尿病、喫煙習慣がある人はインプラントがうまく骨とくっつかないリスクがあるため適応できない場合があります。

＜入れ歯のメリット＞

・手術が不要

抜歯以外の大きな手術を伴いません。

・治療期間が短く済むことがある

抜歯をしなければインプラントと比較して治療時間が短くて済みます。

・保険外治療の入れ歯では目立ちにくい入れ歯を作ることができます。

＜入れ歯のデメリット＞

・装着時の違和感や痛み

特に初めて入れ歯を入れる際には違和感を感じることが多いですが徐々に慣れてくる患者様も多いです。痛みを感じることがありますが歯科医院で痛みがないよう調整します。

・噛む能力の低下

インプラントと比較すると噛む力が弱い

・保険内治療の入れ歯では金属のバネ（クラスプ）を健康な歯にかけるため目立つことがありその歯にダメージを与えます。その結果、早期に歯を失うことがあります。

以上のメリット、デメリットを踏まえてあなたが良いと思う治療は何でしょうか？

私が患者様とご相談するときには次の事をお聞きしながらお話をしています。

・歯の治療をしてどうなりたいか？

　例えば、お孫さんに歯が汚いと言われてショックなので綺麗な歯にしたい。など

・インプラント治療で対応できないような病気、骨の状態かどうかをまず診る

・患者様のご希望

・患者様のご年齢

・患者様のお口の状態（現在、何か所の歯で噛めているか）

・患者様のご予算

・患者様が将来、残した歯がダメになったときにどのような治療が適切か

これらを総合的に考えながら治療のプランをご提案しています。

あなたが入れ歯かインプラントか迷ったらまずそれぞれのメリット、デメリットを比べてあなたが歯の治療をしてどうなりたいかを明確にして歯科医院で相談しましょう。