【骨粗鬆症と歯の意外な関係】50代からの女性が知っておきたい歯科治療の注意点

query_builder 2026/06/03
ブログ

「骨密度の検査で、骨が少し弱くなっていると言われた」

「整形外科で骨粗鬆症のお薬を勧められたけれど、歯のことが心配で踏み切れない」

「お薬を飲み始めたら、もう歯医者で抜歯はできないと聞いて不安になった」


そんなふうに、医科と歯科のあいだで迷っていらっしゃる方は、実は少なくありません。

骨粗鬆症は、日本に推定1,000万人以上の患者さんがいるといわれている、とても身近な病気です。そして閉経を迎えたあとの女性にとっては、全身の骨だけでなく、歯を支えるあごの骨にも静かに影響が及んでいる時期でもあります。


千葉県市川市・京成八幡駅すぐにあります当院、イーストワン歯科本八幡には、「骨粗鬆症のお薬を飲み始める前に、歯のことを整えておきたい」「服薬中だけれど、歯科治療は受けられるのか相談したい」という50代以降の女性が多くご来院されます。

この記事では、骨粗鬆症と歯科治療の関係について、女性ホルモンとの関わりから服薬時の注意点まで、ていねいにお伝えしていきます。


閉経後の女性に起きている、骨と歯の同時進行


「最近、歯ぐきが下がってきた気がする」

「以前よりも歯が長く見えるようになった」

「歯がぐらつくようになった」


そう感じる方が増えるのが、ちょうど閉経前後の時期です。 これは年齢のせいだけではなく、女性ホルモンと骨の関係に理由があります。


女性ホルモンの減少と骨密度


女性ホルモンのひとつ「エストロゲン」には、骨が壊れていくのを抑え、骨を丈夫に保つ働きがあります。 ところが、閉経を迎えるとエストロゲンが急激に減少し、全身の骨密度が下がりやすくなる時期に入ります。

そして、これは全身の骨だけの話ではありません。 歯を支えているあごの骨(歯槽骨)も、同じように影響を受けます。


歯槽骨が弱くなると

・歯ぐきが下がりやすくなる

・歯周病が進行しやすくなる

・歯が揺れやすくなる

・抜けやすくなる


といった変化が現れます。

同年代の男性に比べて、女性の方が歯を失いやすいとされているのも、こうした背景が関係しているのです。


唾液量の減少という、もうひとつの変化


更年期以降は、唾液の分泌量が減りやすくなることも知られています。

唾液には、お口の中を洗い流し、細菌の増殖を抑える大切な働きがあります。

つまり、閉経後の女性のお口の中では、

・歯を支える骨が弱くなりやすい

・細菌が増えやすくなる

・歯周病が進みやすくなる


という、複数の変化が同時に起きていることになります。


「気づいたら歯がボロボロになってしまった」とご相談に来られる方の多くが、この時期にお口の中の変化を見過ごしてきた経緯をお持ちです。


骨粗鬆症の8割は自覚がないと言われています


骨粗鬆症の特徴のひとつに、多くの方が自覚症状なく進行していることが挙げられます。 推定1,000万人以上の患者さんのうち、約8割は自分が骨粗鬆症であることに気づいていないとも言われています。


「少し転んだだけで骨折してしまった」

「背中が丸くなってきた」

「身長が縮んできた気がする」


こうした変化は、骨が静かに弱っているサインかもしれません。 そして、お口の中でも同じように、静かな変化が進んでいる可能性があります。

だからこそ、骨密度の検査を受けたり、骨粗鬆症のお薬を勧められたりした時期は、お口の状態を見直すとても良いタイミングでもあるのです。



骨粗鬆症のお薬と歯科治療|知っておきたい3つのこと


骨粗鬆症と歯科治療について、特に気をつけたいのが「お薬との関係」です。 よくある誤解と、実際のところを整理してお伝えします。


1. 骨粗鬆症と歯科治療は、原則として並行して進められます


「お薬を飲んでいる間は、歯科治療は受けられない」 そう思い込んでいらっしゃる方は多いのですが、これは正確ではありません。

日本骨代謝学会、日本骨粗鬆症学会、日本口腔外科学会、日本歯周病学会、日本歯科放射線学会の5つの学会が共同で作成したポジションペーパーには、「原則として骨粗鬆症の治療と歯科治療は並行して治療可能」と明記されています。


服薬中であっても、虫歯の治療や歯周病のメインテナンス、入れ歯の調整など、多くの歯科治療は問題なく受けていただけます。 ただし、抜歯やインプラントなどの外科的な処置を行う場合は、お薬の種類や服用期間によって慎重な判断が必要になります。


2. ビスホスホネート系のお薬を始める前に、お口の中を整えておくと安心です


骨粗鬆症の治療によく使われるお薬に、ビスホスホネート系薬剤(BP製剤)やデノスマブといった「骨吸収を抑えるお薬」があります。 これらのお薬は骨を丈夫に保つために大切な薬ですが、まれに「顎骨壊死(がっこつえし)」と呼ばれるあごの骨のトラブルを引き起こすことが報告されています。


顎骨壊死の発生頻度は、内服薬で0.01〜0.02%、注射薬で1〜2%程度と報告されており、決して高い数値ではありませんが、起こりにくくするための備えが大切です。

そのために最も効果的なのが、お薬を始める前に虫歯や歯周病など、お口の中の問題をきれいに治しておくことです。 これから骨粗鬆症の治療を始める予定がある方は、ぜひそのタイミングで歯科でのチェックも受けてみてください。


3. 歯科受診の際は、必ず「お薬手帳」をお持ちください


すでに骨粗鬆症のお薬を飲んでいらっしゃる方が歯科を受診する際、最も大切なのはお薬の情報を正確に共有することです。


・お薬の種類(内服か注射か)

・服用を始めた時期

・一緒に飲んでいる他のお薬


これらの情報によって、歯科治療の進め方が変わってきます。 「お薬を飲んでいることを言うと、治療を断られるのでは」と心配される方もいらっしゃいますが、その逆です。

正しく伝えていただくことが、安全な治療への第一歩になります。

なお、ご自分の判断でお薬を中止することは避けてください。 お薬を中止することで顎骨壊死の予防になるとは限らず、それよりも骨折のリスクが上回ることが指摘されています。中止の判断は必ず処方医の先生にご相談ください。


50代以降の女性こそ、今から「歯と骨」を整える時間です


える時間です ご相談に来られる方の多くが、こうおっしゃいます。

「ずっと家族のことを優先してきて、自分の体のことは後回しにしてきた」

「気づいたら骨も歯も弱くなっていて、何から手をつけていいかわからない」


決して手遅れではありません。 気づいた今が、これからの食事と笑顔を整えていく、いちばん良いタイミングです。


歯と骨は、お互いに支え合っています。 よく噛むことができれば、あごの骨に適度な刺激が伝わり、骨を健やかに保つ助けにもなります。 逆に、噛めない時間が長くなると、あごの骨が痩せやすくなり、お顔の印象まで変わっていくこともあります。


イーストワン歯科本八幡では、お口の状態とあわせて、服薬の有無やこれからの治療計画もていねいに伺いながら、その方に合った治療をご提案しています。


残っている歯をできる限り守る

「ドイツ式テレスコープ義歯」という選択肢


骨粗鬆症をお持ちの方や、外科処置を避けたい方には、ドイツ式テレスコープ義歯という入れ歯の選択肢もあります。 残っているご自分の歯にしっかり固定される設計で

・金属のバネが見えず


・自然な見た目

・よく噛めるためあごの骨への刺激が伝わりやすい

・インプラントのような大きな外科処置を伴わない


といった特長があります。

私は、日本顎咬合学会の「かみ合わせ認定医」として、噛み合わせと審美性の両立にこだわった治療を行っています。


※すべての方に適応するわけではありません。お口の状態によって最適な治療法は異なりますので、まずはご相談ください。




まずはご相談から


イーストワン歯科本八幡では、入れ歯やお口のお悩みに関する相談を行っております。 骨粗鬆症のお薬を飲んでいる方、これから治療を始める予定の方、どちらもお気軽にご相談ください。

院長が約1時間かけてお話を伺い、模型や写真を使って、ご自分の状態に合った治療の進め方をわかりやすくご説明いたします。


<よくある質問>


Q1. 骨粗鬆症のお薬を飲んでいると、抜歯はできませんか?


A. 多くの場合、適切な管理のもとで抜歯は可能です。 お薬の種類(内服か注射か)、服用期間、全身の状態などによって判断が変わりますので、必ず処方医と歯科医師の両方にご相談ください。自己判断でお薬を中止することは避けていただくのが安心です。


Q2. お薬を飲み始める前に、歯科で何をしてもらえばいいですか?


A. 虫歯や歯周病など、すでにあるお口の中の問題を整えておくことをおすすめします。 今後、抜歯が必要になりそうな歯がある場合は、お薬を始める前に処置を済ませておくことで、顎骨壊死のリスクを下げることができます。歯科医院でレントゲンを撮り、現在の状態を確認しておくと安心です。


Q3. 骨粗鬆症だと、インプラントは受けられませんか?


A. 一律に受けられないわけではありませんが、慎重な検討が必要です。 ビスホスホネート系のお薬を使用している場合、インプラント手術後の感染や顎骨壊死のリスクが高まる可能性があります。お口の状態、お薬の種類、全身状態を総合的に判断し、ドイツ式テレスコープ義歯など他の選択肢も含めてご提案いたします。


Q4. 歯科治療のために、骨粗鬆症のお薬を自己判断でやめてもいいですか?


A. 自己判断での中止はお控えください。 お薬を中止しても顎骨壊死の予防にはつながりにくく、むしろ骨折のリスクの方が上回ることが指摘されています。中止や変更が必要かどうかは、必ず処方医の先生にご相談ください。



「骨のことも歯のことも気になるけれど、誰に相談したらいいかわからない」 そんなお気持ちのまま過ごされている方こそ、まずは一度ご相談にいらしてください。 医科の先生方と連携しながら、これからのお口と健康をていねいに整えていくお手伝いをいたします。

----------------------------------------------------------------------

イーストワン歯科本八幡

住所:千葉県市川市八幡3-19-1

京成八幡WESTCOURT 2F

----------------------------------------------------------------------

NEW

VIEW MORE

CATEGORY

ARCHIVE

TAG