入れ歯が外れる、噛めない、人前で話せない…
そのお悩み、ありませんか?
「総入れ歯にしたら、もう前のようには食事も会話も楽しめないのでは」
「保険の入れ歯を使っているけれど、すぐに外れてしまう」
「入れ歯安定剤が手放せず、いつもどこか不安」
長年こうした悩みを抱えながら、「総入れ歯だから仕方ない」と諦めてしまっている方は少なくありません。
ご自身の歯がすべて失われた状態、あるいは根っこだけ数本残っている状態のときに作られるのが「総入れ歯(総義歯)」です。上の歯、下の歯、または上下すべての歯の部分を人工歯で再現し、ピンク色の床(しょう)と呼ばれる土台に並べて、噛み合わせと見た目を回復するものです。
総入れ歯は、医学的には「義歯(ぎし)」と呼ばれ、義足や義手と同じ「身体の機能を補う装具」の一種です。この視点はとても大切で、これから先のお話の土台になります。
なぜ「総入れ歯だから」と感じてしまうのか?
その気持ちは自然なことです
「自分の歯と同じようには噛めない」「慣れるまでに時間がかかる」——これは決して、患者様ご自身の問題ではありません。
年齢とともに顎の骨は生理的に吸収していきますし、型取りの精度や義歯の設計によって、安定感や噛み心地は大きく変わります。「こんなものか」と諦めてしまっている状態は、実は総入れ歯そのものの限界ではなく、作り方や調整の積み重ねによって変えられる部分が多いのです。
総入れ歯が外れない仕組みと、より精密な作り方
総入れ歯はなぜ外れずに維持されるのか?
支えとなる歯が一本もない総入れ歯が、なぜ外れずにお口の中で機能するのでしょうか。これにはいくつかの要素が関わっています。
1. 唾液による吸着(ウォーターフィルム現象)
2枚のガラス板の間に水を一滴垂らして重ねると、簡単には剥がれなくなる現象があります。これと同様の原理で、義歯の床と粘膜の間にできる薄い唾液の層が吸着力を生み出します。義歯の辺縁が、大きすぎず小さすぎず、粘膜を全周にわたって適切に封鎖する形であることが、この吸着の安定に関わるとされています義歯床の安定が装着後の患者満足度に大きく貢献することが報告されており、吸着する下顎総義歯は理想形態の一つとされている。
2. お口周りの筋肉との調和
頬・唇・舌の筋肉の動きと、義歯の床縁の形が調和していることも、義歯を維持するうえで重要な要素です。
3. 上下の噛み合わせのバランス
上下の人工歯がどのように接触し、力が分散されるかという咬合バランスも、義歯全体の安定性に影響します。
これら3つの要素が組み合わさることで、総入れ歯は支えとなる歯がなくてもお口の中に維持されます。
当院の総入れ歯づくり「上下顎同時印象法」について
総入れ歯の作り方には、歯科医院によって違いがあります。
多くの歯科医院では、上の型取りと下の型取りを別々に行い、その後で噛み合わせを採るという工程が一般的です。
当院では、私が師事している稲葉繁先生が考案された「上下顎同時印象法」による総入れ歯を作製しています。
上下顎同時印象法の特徴
・上下を別々ではなく、同時に型取りを行い、噛んだ状態での型と噛み合わせを一度に採得します
・噛んだ状態で型を採ることで、機能時の状態に近い精密な型を得ることを目指します
・唇の型も同時に採るため、前歯の出具合や口元の印象も合わせて検討できます
・完成までの間、歯並び・歯の色・口元と顔全体のバランス・噛み合わせを、患者様と一緒に確認しながら進めます
・特に前歯の位置はわずかな違いで表情の印象が大きく変わるため、時間をかけて丁寧に調整します
噛んで型取りをします。それを咬合器という器械に取り付けます。
歯を並べて仮合わせを行います。歯の色や顔貌を患者様と一緒に確認します。
完成です。
なお、この上下顎同時印象法による総義歯は保険適用外の自費診療です。保険診療の総入れ歯とは、使用する材料、製作工程など、製作の前提が異なります。
知っておいていただきたいこと——総入れ歯は「義足・義手」と同じリハビリのプロセスがあります
ここで、誠実にお伝えしたいことがあります。
総入れ歯は「装着した瞬間から、以前の自分の歯と全く同じように噛める」というものではありません。
義足や義手も、装着してすぐに思い通りに動かせるわけではなく、使いながら筋肉や神経が新しい状態に適応していくプロセスが必要です。
総入れ歯も同様に、お口周りの筋肉や舌、神経が新しい状態に慣れていくまでに、ある程度の時間を必要とします。
天然の歯には、噛んだときの感覚や力加減を脳に伝える「歯根膜」というセンサーのような組織があります。総入れ歯にはこの組織がないため、噛む感覚や力の調節は天然歯とは異なります。この違いに馴染むまでには、個人差はありますが一定の期間が必要です。
総入れ歯について、正直にお伝えしたいこと
・天然歯と全く同じ感覚にはなりません。 噛む力や感覚、味わい方などは、天然歯とは異なる部分が残ります。
・慣れるまでの期間には個人差があります。 数日で慣れる方もいれば、数週間から数ヶ月かけて徐々に馴染んでいく方もいます。
・硬いものや粘着性の高い食品は、工夫が必要な場合があります。 食べられないということではなく、食べ方や調理の工夫で対応できることが多いです。
・定期的な調整が必要です。 顎の骨や歯茎の形は時間とともに変化するため、最初に作った状態を保つには、継続的なメンテナンスが欠かせません。
・発音や会話に影響が出ることがあります。 特に上顎の総入れ歯では、装着初期に発音しづらく感じることがありますが、多くの場合は使用を続けるなかで徐々に改善していく傾向があります。
総入れ歯を「お口に入れて終わり」ではなく、「身体の一部として馴染ませていく」ものとして捉えていただくことが、長く快適に使い続けるための大切な視点だと考えています。
なお、義歯を使い続けることは、食べる楽しみを保ち、口腔機能を維持するという面でも意味があるとされています義歯を使用することで食べる喜びが得られ、口腔機能を維持できることに加えて、義歯を使用していない人と比べて認知症の発症リスクを抑制できる可能性も報告されている。
こんな方に、当院の総入れ歯をご検討いただきたいです
・何度も入れ歯を作り直しているが、しっくりこない
・保険の入れ歯が合わず、安定剤に頼ってしまっている
・噛み合わせだけでなく、見た目や口元の表情にもこだわりたい
・「装着してすぐ完璧」ではなく、調整を重ねながら自分に合わせていく過程に丁寧に付き合ってもらいたい
総入れ歯にすればすべてが以前の歯のように戻る、というわけではありません。しかし、精密な型取りと、装着後の調整やフォローを重ねることで、ご自身の身体に馴染む一本を一緒に作り上げていくことは可能です。
まずは、今の入れ歯のお悩みをお聞かせください
当院では、患者様の状態に合わせて、上下顎同時印象法による総入れ歯がご自身に適した選択肢となるかどうかを、検査・診断を通じて一緒に検討させていただきます。
「総入れ歯と長く付き合っていく」ための第一歩として、まずはご相談ください。
よくあるご質問
Q. 総入れ歯に慣れるまでどのくらいかかりますか?
A.個人差が大きく、数日で慣れる方もいれば、数週間から数ヶ月かけて徐々に馴染んでいく方もいます。装着後も調整を重ねながら、ご自身に合った状態に近づけていきます。
Q.自分の歯が数本残っていても総入れ歯は作れますか?
A.根っこだけ数本残っている状態など、ケースによっては総入れ歯の適応となることがあります。残っている歯の状態によって治療方針が異なりますので、診察での確認が必要です。
Q. 上下顎同時印象法による総入れ歯は、保険の入れ歯と比べてどのくらい費用がかかりますか?
A.上下顎同時印象法による総入れ歯は保険適用外の自費診療となります。費用については、当院の料金ページもご参照いただけます。
Q.一度作ったら、その後の調整は必要ないのですか?
A.顎の骨や歯茎の形は時間とともに変化するため、装着後も継続的な調整が必要です。当院では完成後も患者様と確認しながら、状態に合わせて調整を行っています。
イーストワン歯科本八幡
住所:千葉県市川市八幡3-19-1
京成八幡WESTCOURT 2F
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