【その八重歯、実は「奥歯の寿命」を縮めているかもしれません|犬歯の大切さ】本八幡の歯科医師が解説

query_builder 2026/07/27

八重歯を「チャーミング」と感じる方は多いですが、犬歯(糸切り歯)が歯並びから外れた状態は、噛み合わせの要(かなめ)を欠いた状態でもあります。放っておくと奥歯に負担が集中し、将来の入れ歯やインプラントの土台まで崩してしまうことも。犬歯の本当の大切さを、市川市のイーストワン歯科本八幡の院長が解説します。


「八重歯はかわいい」で、片づけていませんか?


若い頃、「八重歯がチャーミングだね」と言われた——そんな記憶をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。日本では昔から、八重歯を愛らしいものとして受け止める文化がありました。

けれど、それはあくまで見た目の話です。実は海外では、八重歯は必ずしも良い印象を持たれず、矯正の対象と考えられることが一般的です。そして何より、医学的に見れば、犬歯が歯並びから飛び出している状態は「正常な噛み合わせ」ではありません。

見た目の好みとは別に、お口の健康という視点で見たとき、八重歯は静かに、けれど確実に、他の歯に負担をかけ続けている——このことは、あまり知られていません。

若い頃は気にならなかった。

でも今、奥歯が心配ではありませんか?


八重歯そのものは、若いうちは痛みもなく、大きな不自由を感じないことがほとんどです。だからこそ、多くの方が「そのまま」にしてきました。

ところが50代、60代と年を重ねるうちに、奥歯がぐらつきはじめた、詰め物がよく取れる、片方でばかり噛んでいる、あるいはすでに奥歯を失ってしまった——そんな変化に気づかれてはいないでしょうか。

「若い頃から歯並びは悪かったけれど、まさかそれが今の奥歯のトラブルにつながっているなんて」。そう驚かれる方は少なくありません。八重歯と奥歯の不調は、実は一本の線でつながっているのです。


そもそも犬歯(八重歯)とは、どんな歯なのか?


八重歯とは、顎のスペースが小さかったり歯が大きかったりして、本来おさまるべき場所に入りきらず、歯並びから外側に飛び出して生えてきた犬歯のことをいいます。犬歯は「糸切り歯」とも呼ばれる、前から3番目の歯です。

この犬歯が、笑ったときに口元から飛び出して見えるため、日本では「八重歯」として親しまれてきました。しかし犬歯は、本来とても重要な役割を担う歯なのです。



犬歯がこんなに大切な、3つの理由


犬歯は、単に前歯と奥歯の間にある一本の歯ではありません。お口全体を守る司令塔のような存在です。


1. 根が長く、丈夫でいちばん長持ちしやすい歯
犬歯は、すべての歯の中で最も根が長く、しっかりと顎の骨に埋まっています。だからこそ丈夫で、一般的に最後まで残りやすい歯とされています。この頼れる歯が正しい位置にあることが、お口全体の安定につながります。

2. 口元のハリを支え、笑顔の印象をつくる
犬歯は口角のあたりに位置し、唇や頬を内側から支える柱の役割も持っています。この歯が正しい位置にあることで、口元に自然なふくらみと張りが生まれます。犬歯の位置は、見た目の印象にも静かに関わっているのです。

3. 「犬歯誘導」で、奥歯を横揺れから守る
そして最も大切なのが、この3つ目です。

私たちは食事のとき、上下の歯を前後左右にすり合わせて噛みます。このとき、顎を横にずらす動きでまず犬歯どうしが触れ合い、奥歯がこすれ合わないように誘導してくれます。これを「犬歯誘導(けんしゆうどう)」といいます。

奥歯は、上から押しつぶす縦の力には強い一方、横からこすれる力には弱い歯です。犬歯が正しい位置で「横の力は自分が受け止めるから、奥歯は縦の噛む力に専念していい」と交通整理をしてくれるおかげで、奥歯は本来の力を長く保てるのです。犬歯は、奥歯のボディガードなのです。


八重歯を放っておくと起こる、3つのこと


犬歯が歯並びから外れた八重歯の状態では、これらの大切な働きが十分に果たせません。具体的には、次のようなデメリットが生じやすくなります。


・虫歯・歯周病になりやすい:飛び出した犬歯まわりは歯ブラシが届きにくく、汚れが残りやすいため、虫歯や歯周病のリスクが高まります


・噛み合わせのバランスが崩れる:噛み合わせの乱れは、顎関節症や、肩こり・頭痛といった全身の不調につながることがあるとされています


・見た目が気になる方もいる:笑ったときの印象を気にされる方もいらっしゃいます


いちばん怖いのは、「奥歯への負担」が積み重なること


八重歯は、犬歯だけが外側に飛び出し、噛み合わせに参加していない状態です。すると、本来なら犬歯が受け止めるはずだった横方向の力が行き場を失い、代わりに奥歯へと集中してしまいます。

奥歯は横の力に弱い歯だとお伝えしました。そこへ負担がのしかかり続ければ、奥歯は少しずつ傷み、揺れ、やがて寿命を縮めていきます。

「80歳になっても自分の歯を20本残そう」という8020運動という考え方があります。犬歯が噛み合わせの役割を果たせていないと、他の歯にかかる負担が増えやすく、結果として将来歯を失うリスクにつながりかねません。八重歯は、見た目だけの問題ではないのです。

奥歯を失ってから入れ歯やインプラントを入れても、土台が崩れていれば長持ちしない


ここが、私たちが最もお伝えしたいところです。

八重歯によって噛み合わせのバランスが崩れたまま奥歯を失い、その状態で奥歯に入れ歯やインプラントを入れたとしても、土台となる噛み合わせが整っていなければ、無理な力がかかって壊れやすくなってしまいます。せっかくの治療が長もちしないのです。

家を建てるときに地盤を整えるのと同じで、歯の治療も「噛み合わせという土台」から考える必要があります。犬歯を含めた噛み合わせを見直すことは、目の前の一本を治すこと以上に、将来のお口全体を守ることにつながります。


では、どうすればよいのか


八重歯や噛み合わせの乱れを整えるには、歯並びそのものにアプローチする治療(歯列矯正など)が必要になる場合があります。どの方法が適するかは、犬歯や奥歯の状態、歯周病の有無、失った歯の本数などによって一人ひとり異なります。

こうした噛み合わせや歯並びの治療の多くは自由診療(自費)となります。費用・治療期間・リスクは診断によって変わりますので、まずはお口全体を詳しく診させていただいたうえで、無理のない計画をご提案します。もちろん、保険で対応できる範囲の治療についても、あわせて公平にご説明します。

大切なのは、「奥歯を失いきってしまう前」「まだ犬歯が使えるうち」に、お口全体を一度見直しておくことです。


こんな方は、一度ご相談ください


・八重歯があり、最近になって奥歯のぐらつきや不調が気になってきた
・片方の歯ばかりで噛んでいる
・すでに奥歯を失い、入れ歯やインプラントを検討している
・顎の疲れ、肩こり、頭痛が続いていて、噛み合わせが気になる
・将来、できるだけ自分の歯を残したい


ひとつでも当てはまる方は、噛み合わせの視点で一度チェックしてみませんか?


ご相談の入口について


イーストワン歯科本八幡(千葉県市川市)では、噛み合わせを軸に、将来の歯を守るための治療をご提案しています。八重歯や犬歯のこと、失った奥歯のこと、気になる段階でどうぞご相談ください。

ご予約・ご相談は、当院ホームページまたはお電話で承っております。犬歯という大切な歯が、まだお口を支えてくれているうちに——その一歩を、今から始めてみませんか?


※本記事は八重歯・犬歯と噛み合わせに関する一般的な情報提供を目的としたものです。治療の適応・方法・費用・期間・リスクは、お口の状態によって一人ひとり異なります。歯列矯正等の自由診療には、痛みや違和感、歯根や歯ぐきへの影響、後戻りなどのリスク・副作用が伴う場合があります。効果を保証するものではありません。診断と治療方針は、必ず歯科医師の診察に基づいて決定します。

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イーストワン歯科本八幡

住所:千葉県市川市八幡3-19-1

京成八幡WESTCOURT 2F

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