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おっぱい派でしたか?
子供の歯が生えたてのうちから虫歯にならないようにフッ素を定期的に塗布することはとても大切です。
しかしそれ以前にもっと大切なことがあります。それは乳幼児の哺乳の時期です。
赤ちゃんには生まれ持った反射(5,6か月でなくなります)が備わっておりその一つが吸てつ反射と呼ばれるものです。口に入ってきたものを吸う反射なので生まれたばかりでもおっぱいを吸えるのです。この反射が正しい哺乳へとつながらないと正しいお口の機能が備わりません。哺乳行動は吸てつ反射から始まり色々な経験を積み自分の意志で飲めるようになっていきます。正しい授乳を覚え母乳を飲んで毎日訓練することが大切です。
*授乳運動によって口の周りの筋肉から始まり首からつま先へと全身の骨格筋が発達していきます。
*良い歯並びをつくるには母乳を飲んで舌や唇の力によって理想的な歯槽骨(歯が生えてくる顎の骨)の成長を促し歯が生える準備をします。(母乳を飲むとき舌で乳首をしごきながら飲みます。この時に上顎の骨の形を整えていきます。)
*授乳は1歳半ぐらいまでしっかりとさせることが大事です。(ただし虫歯には気を付けましょう)
*指しゃぶりは自然な行動ですが赤ちゃんの骨は粘土と同じくらいの硬さなので指が変形します。
授乳は口周りから全身の筋肉、顎の骨の発達を考えると母乳が良いとされています。哺乳瓶による人工哺乳は母乳の50分の1の運動量なのでおしゃぶりで嚥下運動不足をカバーしましょう。乳首と同じような機能を持ったニップルの哺乳瓶、おしゃぶり選びが必要です。
虫歯予防の前に顎や舌の機能の発達を意識してはいかがでしょうか。ご参考になさってください。
<母乳と人工哺乳とおしゃぶり メモ>
・授乳は15分から20分かけてゆっくりと
・授乳は肌の触れ合い、温もりを感じながら
・授乳は嚥下(飲み込み)と鼻呼吸の訓練
・授乳によって骨格筋のトレーニング
・母乳だから良いとは限らない、不良習癖に気を付ける
・指しゃぶりは骨や歯並びを変形させることがある
・おしゃぶりでしっかり鼻呼吸と嚥下を訓練する
・おしゃぶりで口呼吸、舌突出癖、指しゃぶりを予防できる(指しゃぶりを覚えるとおしゃぶりを嫌がる)
筆者プロフィール
イーストワン歯科本八幡
東 郁子■経歴
- 平成6年 鶴見大学歯学部 卒業
- 平成7年 鶴見大学付属病院研修医 修了
- 平成7年 都内の歯科医院 勤務
- 平成30年 イーストワン歯科本八幡 開院
■所属学会/スタディグループ
- ●IPSG包括歯科医療研究会
- 第2回咬合認定医コース受講 咬合認定医 取得
- 総義歯の基礎と臨床 受講
- 顎関節症ライブ実習コース 受講
- パーシャルデンチャーとテレスコープシステム 理論と実習コース 受講
- 咬合治療の臨床 受講
- ●日本臨床歯科医学会
- レギュラーコース 受講
- ●顎咬合学会