
- 入れ歯
八重歯はそのままで良い?
八重歯は犬歯(前から3番目のひし形の歯)が本来の歯並びの外側に他の歯と重なって生えている歯のことをいいます。
昔は八重歯があると可愛いと言われていました。しかし欧米では歯並びが悪くドラキュラをイメージし忌み嫌う象徴です。また健康でスリムなことに加え歯並びが良いことも能力ある上級管理職の外見上の条件と言われているそうです。
犬歯(糸切り歯とも呼ばれています)は下顎を横にずらした時に上下の犬歯が当たることで奥歯を守る役割をしています。
だから八重歯をそのままにしておくとその後ろの歯を失うリスクが高まります。つまり横にずらした時の力に耐えうる形をしていない犬歯の後ろの歯(小臼歯や大臼歯)がその力を受けてしまうからです。
犬歯は歯の名前、八重歯は犬歯が外側に位置している状態を表しています。
下の写真はすべての歯を被せ物で治療する予定ですが左側の犬歯が外側に飛び出ていていわゆる八重歯になっています。
犬歯が重要な役目を果たし奥歯が守られるように歯列矯正で犬歯を正常な位置に戻し治療していきます。
上の写真は左側の糸切り歯が外側に飛び出ている状態です。八重歯になっていますね。
上の写真は歯列矯正によって左側の飛び出た犬歯を正常な位置に戻しました。
下の写真はこの状態から被せ物の治療をするために仮歯を入れた写真です。
このように改善してから治療を行うことにより長持ちする歯を作ることができます。
八重歯をそのままにしていると歯磨きがしにくいので虫歯や歯周病、かみ合っていないために他の歯に負担がかかり骨が痩せて歯を失う要因になります。また八重歯があると唇が閉じにくいので口呼吸になり口内が乾燥し唾液が減るため唾液による自浄作用が低下し汚れが付きやすくなり口臭や虫歯になりやすくなります。
八重歯はご自身で思っているより深刻な問題ですので早めに治療しましょう。
筆者プロフィール
イーストワン歯科本八幡
東 郁子■経歴
- 平成6年 鶴見大学歯学部 卒業
- 平成7年 鶴見大学付属病院研修医 修了
- 平成7年 都内の歯科医院 勤務
- 平成30年 イーストワン歯科本八幡 開院
■所属学会/スタディグループ
- ●IPSG包括歯科医療研究会
- 第2回咬合認定医コース受講 咬合認定医 取得
- 総義歯の基礎と臨床 受講
- 顎関節症ライブ実習コース 受講
- パーシャルデンチャーとテレスコープシステム 理論と実習コース 受講
- 咬合治療の臨床 受講
- ●日本臨床歯科医学会
- レギュラーコース 受講
- ●顎咬合学会