【上の入れ歯は小さいほうがいい?】大きさ・厚みが必要な理由を本八幡の歯科医師が解説

query_builder 2022/02/19

奥歯を両側とも失った場合、上の入れ歯は上あごを広く覆う大きな形になり、厚みも必要になることがあります。「もっと小さく、薄くしてほしい」と望まれる方は少なくありませんが、無理に小さく・薄くすると、噛めない・外れる・支えの歯に負担がかかるなどの不具合が起こりやすくなります。大きさと厚みがなぜ必要か、厚みを抑える方法とあわせて、市川市本八幡の歯科医師が解説します。

こんなお悩みはありませんか

  • □ 上の入れ歯が大きくて、しゃべりにくい・気持ち悪い
  • □ 入れ歯の厚みが気になって、口を開けにくい
  • □ 「小さくしてほしい」と歯科医院に頼んだら、前より噛めなくなった
  • □ バネをかけている歯が、痛む・ぐらつく
  • □ 見た目や違和感を我慢するか、噛める入れ歯にするか迷っている

違和感を減らしたくて小さい入れ歯を選んだ結果、かえって噛めなくなり、来院される方がいらっしゃいます。大きさと厚みには、それぞれ理由があります。まずその理由から確認しましょう。


なぜ、上の入れ歯は大きく・厚くなるのか

奥歯を左右とも失った場合の部分入れ歯は、残っている歯にバネをかけるだけでは安定しにくくなります。上あごの歯ぐきに広く接する面をつくり、そこに吸いつかせることで、安定して噛みやすい入れ歯になります。いわゆる総入れ歯に近い形になるのは、このためです。

上あごを広く覆うと、安定して噛みやすくなる

入れ歯と歯ぐきのあいだには、唾液の薄い膜ができます。この膜が全周でとぎれずに続いていると、吸盤のように吸いつく力が働きます。覆う面積が小さいと、吸いつく力もふちを閉じる長さも足りなくなり、噛むたびに動いたり、外れたりしやすくなります。総入れ歯(歯が1本もない場合)でも同じ仕組みが働いており、くわしくは【総入れ歯が落ちる・噛めないのはなぜ?】でご説明しています。

厚みが必要なのは、噛む力を受け止めるため

入れ歯の土台部分(床)には、噛むたびに力がかかります。保険診療で使えるプラスチック(レジン)は、金属に比べて強度が低いため、薄くしすぎるとたわみや割れが生じます。一定の厚みを持たせることで、割れずに噛む力に耐えられるようにしています。厚みは、無理に大きくしているのではなく、材料の強度を保つために必要な厚みだとご理解ください。


小さく・薄くしてしまうと、何が起こるか

小さくした入れ歯に起こりやすいこと

違和感を減らそうと入れ歯を小さくすると、次のような不具合が起こりやすくなります。

  • ・噛みにくい、噛む力が入らない
  • ・食事中や会話中に動く、外れる
  • ・食べかすが入れ歯と歯ぐきのあいだに入り込む
  • ・割れやすくなる
  • ・入れ歯を支えているバネの歯に、外れないよう余計な負担がかかる

上あごを覆う面積が小さい入れ歯の例

覆う面積が小さいと、食事のときに入れ歯が動いて、噛みにくくなることがあります。

上あごを覆う形へ修理した入れ歯

このように、今お使いの入れ歯を上あごを覆う形へ修理できる場合があります。ただしバネで支える設計であることは変わらないため、修理ですべての不具合が解消するわけではありません。

薄くした入れ歯に起こりやすいこと

上あごの真ん中が覆われていない入れ歯

上あごの真ん中を覆わない形にすると、覆う面積が減って吸いつきが弱まるだけでなく、左右のバネの歯にかかる横方向の力を、真ん中の部分で受け止められなくなります。噛むたびに入れ歯が左右に動き、支えの歯に負担がかかりやすくなります。

厚みを薄くしたことで割れた入れ歯

保険で使えるプラスチックの床を無理に薄くすると、このように割れてしまうことがあります。厚みを保ったまま違和感を減らすには、材料そのものを見直す必要があります。


厚みが気になる方の選択肢:金属で補強する方法もあります

金属で補強し薄くした入れ歯

床の一部を金属に置き換えると、プラスチックだけの場合より薄くしても強度を保てます。これが自費診療の「金属床義歯」です。金属は熱を伝えやすいため、飲食物の温度も感じやすくなります。一方で、費用は保険の入れ歯より高くなり、修理がプラスチックの床より難しい場合があります。くわしい仕組みと症例は【自費の入れ歯のひとつである「金属床義歯」について】でご紹介しています。


入れ歯の種類で、大きさ・厚み・バネの見え方を比べる

奥歯を両側とも失った場合の入れ歯を、大きさ・厚み・バネの見え方という観点で比べました。

項目 保険の部分入れ歯 金属床義歯 ノンクラスプデンチャー テレスコープ義歯(ドイツ式)
床の材料 プラスチック(レジン) プラスチック+金属 歯ぐき色の樹脂 プラスチックまたは金属+内冠・外冠
厚み 強度を保つため、一定の厚みが必要 金属部分は薄くできる たわみを抑えるため厚みが残る場合がある 支えの歯を冠で覆う分、床の面積を抑えられる場合がある
バネ(金属)の見え方 笑うと見えることがある 見えにくい位置に設計する バネを使わない バネを使わない
支えの歯への影響 バネをかけた歯に負担がかかる バネをかけた歯に負担がかかる 支台歯に側方力がかかる。粘膜側の負担にも配慮が必要 支えの歯を削って冠をかぶせる
費用 保険診療です 880,000円〜1,320,000円 自費の入れ歯です。費用は診察のうえでご案内します 1,650,000円〜4,120,000円(内冠の本数などで変動)

※各項目は一般的な傾向であり、実際の設計・費用はお口の状態によって異なります。テレスコープ義歯の費用の内訳は料金ページをご覧ください。


当院の考え方:入れ歯は「義足」と同じで、慣れるまで時間がかかります

入れ歯は「義歯」と書き、義足や義手と同じ「義」の字を使います。義足を作ってすぐに走れるようにはならないのと同じで、入れ歯も少しずつ慣らしながら、噛む・話すという動作に体を合わせていく期間が必要です。慣れるまでの期間には個人差があります。

大きさや厚みは、むやみに大きくしているわけではなく、安定して噛める・割れずに使えるという条件を満たすための設計です。当院では、お口の型を大まかに採ったあと、専用のトレーを使って頬や舌を実際に動かしていただきながらもう一度型を採り、必要な範囲で違和感の少ない形に近づけています。


知っておいていただきたいリスク・副作用

  • ・慣れるまで時間がかかります…装着当初は、違和感や話しにくさが出ることがあります
  • ・支えの歯に負担がかかります…バネをかけた歯は、状態や設計によってぐらついたり、むし歯や歯周病になったりすることがあります
  • ・金属床義歯は修理が難しい場合があります…金属部分が壊れると、プラスチックの床より修理に時間や費用がかかることがあります
  • ・お手入れと定期的な検診が必要です…清掃を怠ると、むし歯や歯周病、口臭の原因になります
  • ・あごの骨や歯ぐきは少しずつ変化します…年月とともに、入れ歯と歯ぐきのあいだにすき間ができ、調整が必要になることがあります
  • ・自由診療全般…保険が使えず、費用は全額ご負担になります。ごく一部の金属で金属アレルギーが生じることがあります

自由診療の費用の目安(すべて税込)

保険の部分入れ歯は保険診療です。以下は自費をご検討になる場合の目安です。正確な金額は、診察と検査のうえでお見積りをお出しします。

項目 費用
無料メール相談 無料
来院相談(レントゲンでお口全体を確認) 5,500円
精密検査・治療計画・お見積り 33,000円
金属床義歯(部分入れ歯) 880,000円〜1,320,000円
  • ・むし歯・歯周病の治療や抜歯が必要な場合は、別途保険診療の費用がかかります
  • ・完成後の調整は3回まで費用に含まれます。4回目以降の調整と、噛み合わせが安定したあとの定期メインテナンスは別途費用がかかります
  • ・お支払いは一括のほか、3回に分けてお支払いいただくこともできます
  • ・自由診療の費用は、医療費控除の対象になります

※2026年9月時点の費用です。改定する場合があります。

治療期間の目安

  • ・金属床義歯(部分入れ歯)… およそ6か月〜10か月(お口の状態によって前後します)
  • ・テレスコープ義歯(ドイツ式入れ歯)… およそ6か月〜1年
  • ・歯を抜く必要がある場合も、抜いた日に仮の入れ歯をお入れするため、歯がないまま過ごす期間はつくりません

よくあるご質問

Q. 入れ歯を小さくしてほしいと頼めば、小さくしてもらえますか

技術的には可能ですが、覆う面積が減るぶん吸いつきや安定が弱まり、噛みにくくなったり外れやすくなったりすることがあります。ご希望をうかがったうえで、噛める機能を保てる範囲かどうかをご説明します。

Q. 厚みだけ薄くすることはできますか

保険で使える材料のまま薄くすると、割れやすくなります。厚みを保ったまま違和感を減らしたい場合は、床の一部を金属に置き換える金属床義歯が選択肢になります。

Q. 前に使っていた小さい入れ歯を、今のように大きくできますか

既存の入れ歯に材料を足して覆う面積を広げる修理ができる場合があります。今お使いの入れ歯を拝見してご説明しますので、お持ちください。

Q. バネをかけている歯が心配です

バネをかけた歯には、噛むたびに横方向の力がかかりやすくなります。バネを使わない設計をご希望の場合は、支えの歯を冠で覆って支えるテレスコープ義歯(ドイツ式入れ歯)という選択肢もあります。詳しくはドイツ式入れ歯(部分入れ歯)のページをご覧ください。


まとめ

  • 1.奥歯を両側とも失った場合の上の入れ歯が大きくなるのは、上あごを広く覆うことで安定して噛めるようにするためです
  • 2.厚みが必要なのは、保険で使える材料の強度を保つためです
  • 3.無理に小さく・薄くすると、噛めない・外れる・割れる・支えの歯に負担がかかるといった不具合が起こりやすくなります
  • 4.厚みが気になる場合は、床の一部を金属に置き換える金属床義歯という選択肢があります
  • 5.バネの見た目が気になる場合は、テレスコープ義歯(ドイツ式入れ歯)という選択肢もあります

今お使いの入れ歯の大きさや厚みが合っているかは、拝見すればご説明できます。ひとりで我慢せずに、まずご相談ください。

ご相談の流れ

  • 1.ホームページの予約フォーム、またはお電話でご予約ください
  • 2.今お使いの入れ歯があればお持ちください
  • 3.レントゲンでお口全体を確認し、今の入れ歯の状態と考えられる選択肢をご説明します(来院相談 5,500円)

まずはメールでという方のために、院長が直接お答えする無料メール相談もご用意しています。


※本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、特定の治療効果を保証するものではありません。治療の適応や結果には個人差があります。実際の診断・治療方針は、必ず歯科医師の診察を受けたうえでお決めください。

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イーストワン歯科本八幡

住所:千葉県市川市八幡3-19-1

京成八幡WESTCOURT 2F

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