
- 入れ歯
保険診療で作った入れ歯は何年使用できるのか?
部分入れ歯を保険診療で作った場合、残っている歯にバネをかけます。そのバネは鋳型で作ったバネ、針金を曲げて作ったバネの2種類あります。どちらも入れ歯を出し入れしているうちに金属疲労が起こりますので折れることがあります。
上の写真のバネは金属の鋳型で作ったものです。左側のバネが折れています。
人工の歯の部分はプラスチック素材です。プラスチック素材はすり減りが少ないものからすり減りやすいものまであります。保険診療で使用されるものはすり減りやすいものです。人工歯がすり減ると噛む面の凹凸がなくなり噛んだ際に面接触になり食べ物が砕けず潰すことしかできないため噛むという運動がすり鉢とすりこ木のようなすりつぶす運動になります。すると入れ歯は常に揺さぶられバネがかかっている歯が抜けてしまいます。
入れ歯のピンク色の床と呼ばれる部分はやはりプラスチック素材で嚙む力で割れないように厚みが必要です。ただしいくら厚くしても応力に耐えられない箇所は何回修理しても割れてしまいます。
保険診療で作った入れ歯は金属のバネ、人工歯、床の素材と嚙む力によって2,3年で壊れてしまいます。保険診療のルールで入れ歯は作ってから6か月は新しい入れ歯は作れないのですが患者様の中には「半年ごとに新しい入れ歯を作れば残っている歯が持つのでは?」とおっしゃるのですがこれは保険診療では「6か月入れ歯が使える程度の素材で仕上がればよし」としているわけです。決して残っている歯の寿命を延ばすということではありません。
この世の中に毎日使用するもので「一生持つ」ものはありません。食事は毎日必要不可欠ですのでなるべく長持ちして良く噛める入れ歯を使用したいですね。入れ歯でお困りの方は以下のサイトを参考になさって下さい。入れ歯相談も受け付けております。
筆者プロフィール
イーストワン歯科本八幡
東 郁子■経歴
- 平成6年 鶴見大学歯学部 卒業
- 平成7年 鶴見大学付属病院研修医 修了
- 平成7年 都内の歯科医院 勤務
- 平成30年 イーストワン歯科本八幡 開院
■所属学会/スタディグループ
- ●IPSG包括歯科医療研究会
- 第2回咬合認定医コース受講 咬合認定医 取得
- 総義歯の基礎と臨床 受講
- 顎関節症ライブ実習コース 受講
- パーシャルデンチャーとテレスコープシステム 理論と実習コース 受講
- 咬合治療の臨床 受講
- ●日本臨床歯科医学会
- レギュラーコース 受講
- ●顎咬合学会